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1999.06.24 (Thu)

『恋をするならワンルーム』 門地かおり

 相変わらずのハイパーテンションギャグ――と断言してしまうと大いに語弊があるんだろうな。先輩が鉄拳を振るうところはとってもワイルドでグー。後輩君が先輩に見立てた豆腐に指を突き刺す場面は、なかなかエロチックでした。

『ピース』 館野とお子

 何故だか安心できる絵柄に加えて、甘やかされたくないと思う湊も、引くところは引く溝口もいい感じ。

『羊たちの番人』 石原理

 24頁なんだけど、具体的には何にもないんだけど、矢内牧師のきわめて底意地の悪そうな笑顔がとってもナイスな読み切り。しかし謎なのは、それまで全然見えなかったのに、湯名の首に突如十字架が出現したこと。いや、1コマだけチェーンが見えてるとこはあるんだけど、その後、肩が露になる場面では消えてるから……、服と一緒にズラされちまってたんだろーか。ところで、ピアノを習いに来ていた少年は、何をそんなに赤くなっていたのだろう。後ろから手に手をとってピアノ・レッスンをされていただけなのに〜(笑)

『されど愛しき日々』 寒水月せい

 陣内&咲坂シリーズ。
 私はどうもこの話が不思議だったんですが。前作2作あるそうなんで、それを読んでいないせいかもとも思うんですけど。ええと、何というか、ズバリいってしまえば恋愛関係にある2人が、セックスにおいて挿入を成功させようと苦労する話なんですが。前にチャレンジした時には受けの子が吐いたりなんだりで相当具合悪くしたようで、攻めの子は随分そのことを気にして心配しているのに、むしろ受けの子の方が「アレには男の面目とプライドがかかっているわけで」と、「恋愛=SEXじゃない」と言っている割には、何故か絶対に入れさせなきゃならん、と固く固く信じているようなのがとても不思議でした。恋人との関係なんて、各人がそれぞれに作っていけばいいんだから、絶対にクリアしなければならないことってないと思うんだけど。途中、木陰にゆっくり寝転がって 肘か足の先でもいい 少し触れていれば すごくいい気持ちになれる気がする――と受けの子が思う場面があって、そういう気持ちがあるなら自然にそれを発展させていけばいいんじゃない?と思ったんだけど、何故か「こればっかりはやって慣れるしかねぇだろ」という方向に話が進んでしまうのね。まあどうしてもやりたいっていうならそれはそれでいいんだろうけど、でも愛情というよりは義務感が先立っているようで固定観念に囚われすぎじゃないのかなと思ったよ。

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