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2000.02.21 (Mon)

『NOT READY!? センセイ』新連載 こだか和麻

[ 〆切に追われる新人漫画家の弘は編集からプロアシの田辺を回してもらう。田辺がゲイだという噂を聞き、村上に気のある先輩漫画家の神楽は気が気でないが……。 ]
 巻頭カラー。
 今までの読み切りから形式を改めてシリーズ再登場。過去にワケ有りな凄腕アシの田辺は、しかし見た目がハリネズミ君で華に欠けるのがイマイチ。弘はすっかり神楽に餌付けされてるし。田辺が描いたあの背景カットは、実際には誰が描いたんでしょうか。それと、他人のプライバシーに関することで噂を流すアシスタントはどうかと思うぞ。

『LOVE MODE』あまい罠 最終回 志水ゆき

[ 陣内と1つでも接点を持っていたい香月だったが、陣内は相変わらずつれない態度のまま、いよいよ香月のホスト初仕事の日が来て……。 ]
 「俺はあんたを…キモチよ…くしたいん…だよ」という香月の気持ちは天晴れだけど、どうも今ひとつ乗れない連載だった。陣内はオトナの余裕なのかもしれないけどポーカーフェイスすぎて内面何を考えてるのか全然判らなかったし、香月は香月で空回りしてたからなあ。客の立場から陣内をオトそうとするならともかく、陣内のそばにいるためだけに本番有りのホストになろうという香月の行動は私には判らん。

『愛をちょうだい』 かぐやま一穂

[ 大学生の八代はコーチとして母校のバレー部の面倒を見ていたが、八代と主将の日々谷の間には誰も知らない1つの取り決めがあった……。 ]
 割とアダルトな絵柄で話運びもテンポが良い……のだが、ラストにきて突然駆け足になってしまったのが残念。急転直下にも程がある。日々谷の本心とか、その後の行動とかそこはもっとページを割いてじっくり描くところでしょーが。ああもったいない。という訳で、コミックスでの補填希望。

『デンジャラスMAGNUM』6thファイル 新連載 えのもと椿

[ 専門学生の紫希と刑事の千石は同居を始めるが、千石の仕事が忙しくなかなか二人だけの時間がとれずにいた……。 ]
 カラー付き。
 紫希がどんどん女性化しているような気がするんですが。あと、千石を見ていると所轄署に淫行刑事がいるとチクリの電話を入れたくなるのは私だけだろうか。

『同棲愛』第53話 水城せとな

[ 千里のいる場所に戻った光太郎。光太郎からの電話を待つ馬堀。薫と向き合うために一時失踪を宣言する椿。人生いろいろ。 ]
 恋人同士といったって、それぞれに生活パターンや興味のむく方向も違えば、たとえ同居していたとしても、いつもいつもお互いばかり見つめ合っている訳にはいかなくて。すれ違ったりぶつかったりしながら、二人の『場』を見つけてゆくもんだと思うけど、光太郎と千里はどうなのかな? 千里の態度はまだまだ子供で、光太郎のことを認めているとも思えないんだけど。

『息をひそめて』 野守美奈

[ はるかと隆明は世間的には家庭教師と生徒の間柄だったが……。 ]
 ボーイズラブというより、懐かしきJUNEの王道路線。エロ過剰気味の昨今、思えば遠くに来たものだと感慨にふけりたくなる。ただそれだけに、話・絵共に「ちょっと前」の感があるような。

『僕がどんなに君を好きか君は知らない』 おぐらみき

[ 豊と樹の関係は安定したかに見えたが、樹の「先生」が現れ……。 ]
 EXCUSEシリーズ。
 樹と過去の因縁がある加賀先生が久々に登場。目つきがイヤラシ気で大変結構。というより、豊と樹に色気がナイのが問題なんだよな。それにしても、電話1本と移り香の他に何の確証もないのに樹に手をあげるとは、豊も余裕なさ過ぎ。反省すべし。

『メンクイ!3』 田中鈴木

[ 赤岩とつきあい始めて3ヶ月目のことりは、赤岩が美人な女性と歩いていたという話を聞き……。 ]
 かなり古典的なオチだが、ダイナミックさで笑わせる。このままこの二人には清い仲でいてほしい、と思わされたり。夏頃コミックス発売予定。以前「ZERO」に掲載されていた話なども是非すぱっと本にまとめてほしい。

『ジャジャ馬ならし』〜三角形の章〜前編 門地かおり

[ 部活の合宿に出かける黒沢に、三木の様子を見ていてほしいと頼まれた馬場は……。 ]
 カラー付き。
 華奢で目がデカく前髪もさらさらな馬場がまったくオンナノコに見えないのは、その身も蓋もない述懐のせいだろうか。そして、黒沢不在中に何故か揺れる馬場と三木の二人。三木の口調が独特のテンポなのでつい乗せられてしまうんだな。こ、この二人の行方は〜? というか、黒沢と馬場ってまだデキてなかったんかい。

 今回は『あふれそうなプール』と『FAKE』の2作品が休載。んもー、しっかりして下さい。

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2000.02.23 (Wed)

『苦い果実』 鹿乃しうこ

[ 妻に自分の家の鍵を取り替えられ、締め出しをくらった長瀬は、隣に住む高校生・小野の世話になるが……。 ]
 巻頭カラー。
 この作者の話は単純にカップルが1つ成立するだけでなく、メインストーリーに絡んでくる横筋があるんだけど、今号はちょっとキャラ同士の心情が判りにくかった感じ。小野が姉と近親姦の関係にあったらしいというほのめかしは効いていたと思うけど、小野が高校生に見えないのと、あと長瀬が小野に絡め取られてゆく描写があまりなかったのが原因だと思う。長瀬が小野にハマッてゆくところをもう少し詳しく描いて欲しかった。で、長瀬が小野を突き放した後にもう一展開あればもっと読み応えがあったのでは……と思うんだけど、それは欲張りすぎかなあ。

『オモイデボロボロ』 佐倉真美

[ 両親の離婚に伴い田舎暮らしを余儀なくされた高校生の直記。この田舎は、彼にとって思い出したくない出来事があった場所だった……。 ]
 う、う〜ん、パラパラ立ち読みした時は結構イケそうな話と思ったんだけど、ちゃんと読んでみたら腑に落ちないことがいくつか。最終的に、クールな優等生風の直記×元ガキ大将で今不良の雄馬、ってのはいいんだけど、「七年前の出来事」で、フツー「兄ちゃんの本見て勉強したんだかんな!」と言う雄馬が直記の服を脱がせてたら最後までヤッちゃってると思うじゃんよ。でも、こすりっこだけだったのね……。そいでもって、その時に直記が雄馬に対して初恋に落ちていたってのもどうもねえ……。

『スゥイート・シーズン』 ポリアンナ哉七

[ 家庭教師の柏原の結婚話を聞いた由起は、彼への恋心を自覚する……。 ]
 カラー付き。
 結婚して故郷に帰る先生との一度だけの情交。強姦まがいの「愛情」ものを読みつけていると、たまにこんな可愛い話を読むと心が洗われるようです。

『イジメテミタイ』 内田一菜

[ 少女漫画誌から念願叶って少年漫画誌へと転属になった貴島林太郎は新人漫画家・新名の才能に惚れ込むが、新名はアシスタント先の恩田に恋をしていて……。 ]
 カラー付き。
 悪気を出してノンケのくせに新名に顔射してしまった恩田が我に返るところが、後味悪くもなかなかリアル。実際はそんなもんだよねー。で、林太郎と新名がくっついて一応ハッピーエンドなんだけど……、この話のオチはどこ?

『物質感』 麻倫己留止

 デビュー作。この作者の名前は「まみち こると」と読むらしい……。こだわりがあるのかもしれないが、まずは読みやすく覚えやすい名前にすることを強力に勧める。

『秘密のナイフ』 直野儚羅

[ 殺しを生業とする青年のもとに現れた死神は、しかし彼を殺さずに「気に入った」と言う。そして、今までの殺しの代償として彼の片目を奪った……。 ]
 カラー付き。
 どこかが欠落した人体をよく描く漫画家さんだと思う。しかし死神のカムイは、人智を越えた存在としては単純すぎではあるまいか。カムイと夜刃の濡れ場は相変わらずの艶っぽさ。どっからそんなに濡れるのか聞きたくなるんだけど、それは聞いちゃいけないお約束なんだろうな。

『青蝉』 大竹直子

[ 安藤大樹は蝉取りに行った林で通りすがりの軍医に犯される。そして6年後、学徒出陣した大樹は……。 ]
 ううむ、絵柄は日本画風のお耽美だけど、これは話としてはさぶ系ではないだろうか……。

 3月発売の「麗人Spring Special」では表紙がいつもの笠井あゆみから内田かおるに変わる模様。うーん、どうだろう。笠井あゆみの流麗な表紙だからこそ「麗人」は一番買いやすい雑誌だったのに。せめて妙なアオリ文句をつけてくれないことを祈る。

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