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2004.03.08 (Mon)

[感想]BE・BOY GOLD 2004年4月号

 (以下は2004.06.06に書いたものです)

『絆 -KIZUNA-』新連載 こだか和麻

[ 政との将来に思いをめぐらせる佳だったが……。 ]
 巻頭カラー。
 相変わらず進みそうで進まない話でんな。まあ学生時代なんて、よっぽど明確な目標がある人以外はアテもなくフラフラしてしまうものなんでしょうが、それにしてもいつまで大学生やっとるんじゃっつー気もしないでもないですねえ。圭と蘭丸はもうすっかり出来上がってて、今更「第三の男が登場!」とか、就職してアレコレ……とまたイチから話を始めるのもどうかって感じですし、そろそろシリーズ完結してもいい頃合いなんじゃないでしょうか。(余計なお世話と言われれば相当に巨大なお世話ですが。)
 ……今回、同業者に挨拶する政の顔がF田まことに見えてしまったのはヒミツです。

『ぼくのすきなおじさん』 志水ゆき

[ 落とし物ハンターの二つ名を持つゲイの産婦人科医・春原蓮爾は、見合い話を断った道すがら、一人の少年を拾うが……。 ]
 医者もの?
 特に探している訳でもないのに落とし物に遭遇してしまう人のことを「ハンター」と呼ぶのは何か違う気が。それにしても見事に医者一族に見えない兄弟だ……。
 しかしなー、ほのぼのとした読後感があるのですが、よく考えると微妙に児童虐待が入ってないスか、この話。当事者である少年がいいって言ってるからいいのかもしれませんが、くれぐれも警察にしょっぴかれないように注意してください>蓮爾
 あと、ゲイは嗜好じゃなくて指向(性指向)なのでは。自分じゃ変えられないっしょ?

『罪とくちづけ―楽園に奪われた十日間―』第2回 東野裕

[ 弟との電話をカイルに誤解されてしまった大和。カイルに身体での奉仕を求められて……。 ]
 ううむ。強引Hシーンは使い古されたパターンとはいえ未だあちこちで見かける現役シチュエーションなので、まあお約束事よねー、とさらりと読めたのですが、むしろ、その後の展開がですね、今時やるかー?というようなベッタベタなネタを臆することなく繰り出してくる作者に逆に度肝を抜かれたというか、ドジっ子漫画の王道中の王道をいく展開に、最早返す言葉もございません。大和がうっかりカイルの股間に触れてしまうシーンなんか悶絶するかと思いましたよ。ブ、ブラボー!(ヤケ)

『HOME SWEET HOME』 神室晶/高緒拾

[ 残業続きのパートナー・麻木邦彦に業を煮やした宮原恵斗は逆に浮気帰りの午前様を邦彦にとがめられ……。 ]
 建築系リーマンもの。
 う、うーん……、硬めのタッチで淡々と描く作風はなかなか新鮮でしたが、お話の方はややぎこちない感じかなー。邦彦がとことん無口キャラなので余計にそう感じてしまうのかもしれませんが。このあたり、話の読ませ方も恋愛の進め方も適切なケアが不可欠という相似を見せて興味深いです。なんちって。
 にしても、家一軒はサプライズプレゼントにしてはさすがに物が大きすぎなんじゃ……。それが邦彦の愛情の深さなんだろうけど、そして恵斗にも甘いキスで受理されてるから万事オッケーなんだろうけど、ちょーっと独りよがりの傾向が強い気がして心配です。(うっかり破局に至ってしまった時の負債額がデカそうだ……)
 一方の恵斗はといえば、社用外出中にこちらも仕事中の邦彦を偶然見かけて、脇を通り過ぎた時に“俺のこと 一度も見てくれなかった”だけで泣いて(←推定)走り去ってしまうという……、小学生かオマエと思ってしまいました。声をかけたけど無視されたとか、冷たい目を向けられたとかいうならともかく。恋のテレパシーとか信じてるクチなのかしら。
 今のところ、恵斗の溢れるラブパッションが邦彦の表現不足をカバーしていて、凸凹がうまい具合にふさがってるようだからいいですが、今後がやや不安な二人です。

『優しい日々』 剣解

[ クリステン王子は直属の騎士となったジークになかなか会えないでいた。一方、ジークは先の“黒の騎士”に呼ばれるが……。 ]
 2003年8月号掲載『光の産声』続編。黒の騎士シリーズ。
 冒頭から数ページは、平和な日々のひとコマ……という雰囲気はよく出ている反面、メインキャラだけどとりあえず今回は用がないようなキャラクターも次から次へと顔を見せるので、読んでいて混乱してしまいます。出すなら出すで顔見せだけじゃなくてもうちょっとそれぞれの立場も説明してほしいかも。(そのあたり、完全連載形式じゃなくて一応読み切り形式なのがビミョーなところですな)
 で、説明ついでに、舞台となっている国の地理と歴史のレクチャーも是非お願いしたいです。
 それと、国王暗殺未遂事件とか第三王子襲撃事件とか起きてるのに、皇太子と第二王子の警備があんなに手薄でいいのでいいのでしょうか。郊外で警備兵達と合流する手はずなのかしらん。
 それはともかく、今のジークは王子と二人きりの時は対等の立場で話し、時には積極的に王子をリードする関係にある訳ですが、それは到底「光に付き従う影」というものではなく、この先はどうなっちゃうんでしょうかね。二律背反にならねばよいのですが。

『ショタリーマン』 CJ Michalski

[ 生まれもっての悪相のせいですっかりやさぐれてしまった亜久大寛は悪徳営業マンとして、訪問先の企業に因縁をつけて回っていたのだったが……。 ]
 ショタ系ショートギャグ。
 正直に告白しましょう。全編に散りばめられたショタリーマンの愛くるしさよりも、1コマだけの強面キャラの裸踊りに目を奪われてしまったことを……! (萌えに嘘はつけません)
 そして一番笑ったのは「何をしている 俺の部長に……!!」
 心の声がダダ漏れです>課長

『僕の声』最終回 新田祐克

[ 新番組のイベントに国府を招待したいという上智だったが……。 ]
 金のがちょう編終了。
 うーわー。最初青春ものっぽいノリで、これがどうやってボーイズラブになるんだろう、と思ってましたが、凄い力業ですね、上智君。
 多分、風間のようなタイプはどんなにあがいても運命的に上智的人間には敵わないと思うので、逃げるなら今のうちっつーか、嫌なら早いとこ徹底抗戦の構えを見せておいたほうがエエと思います。でないと絶対上智のペースに乗せられっぱなしになること、火を見るより明らか。今だってもう風間の防戦一方だし。
 いきなりベッドで上智に抱きつかれて呆然としている風間君が何だかとっても不憫な最終回でした。

  • 『最果ての君へ』act.5 殆ど台詞とモノローグで話が進行するので、いまひとつパンチに欠ける感じ。
  • 『ノン・セキュリティホール』 SOHOもの。うまくノせられノッてしまいましたとサー。
  • 『終電車が出たあとに』 Jリーガー×高校生。雑誌1冊に拾い物ネタ二つは新鮮味が薄れるような。
  • 『甘いぬくもり』 リーマン系。なんでかずっとマガビー04年2月号『あなたの隣に座らせて』の番外編だと思って読んでました。作者違うやんけ……。
  • UNDER WEAR特集自体はまあいいとして、わざわざピンクのページにアオリが“パンツ戦隊”。かなり呆れました。
  • 白ブリーフレンジャー(パンツでおジャマ▽/ねこ田米蔵) ホントにソレっきゃねーのな、攻クン。青少年の性衝動はもーどうしよーもねーですな。
  • 競泳用パンツレンジャー(溺れるカラダ/むとべりょう) 鬱陶しい泣き虫かと思われた受君が実は魔性キャラだったのが意表をついていて良かったです。先輩はまーご愁傷サマということで。それにしても器用な足だ。
  • スケ×2パンツレンジャー(アンド、パンチュ▼/かゆまみむ) 普通トイレで気づくと思うんですがねえ、女物。ああ、受っ子くんはトイレ行きませんか、そうですか。
  • トランクスレンジャー(デリキス!/心斎橋パルコ) エロまみれパンツ戦隊の中では、一番青春してる話。が、それだけに一番印象も薄いというのは、いいのか悪いのか……。

 高嶋上総『ラストクライアント』の結末はコミックスで――と、新シリーズが始まりましたが、コミックスを買わないかもしれない人は一体どうすれば……? 何はともあれ、スケジュールの乱れってオソロシイと思わせられる一幕でした。

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