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2000.05.10 (Wed)

『オールウェイズ』  新田祐克

[ 新居に引っ越す準備をする岩城と香藤。その最中、岩城が香藤の目から隠した物は……。 ]
 巻頭カラー。
 香藤が岩城から貰った(と本人が主張する)エンゲージリングが……(笑) しかし、先日読んだ「コイズミ学習ブック」3(*1)に、エッチな気分になるのに男性は視覚主導、女性は妄想主導と書かれていて成程もっともだと頷いたのだが、つまりあまりブツをリアルに描かれても読んでいる方は萌えないので、もちっとイメージ主体でいってほしいなあ、と思ったのだった。

『ドルチェ』  志水ゆき

[ 葵一の企みによって催淫剤入りのチョコレートを食べてしまった直也は……。 ]
 『LOVE MODE』あまい罠サイドストーリー。
 悪魔のような葵一の所業に翻弄される蒼江と直也。大変ですな。コアラよろしく蒼江にしがみついてる直也は可愛かったけど、ホントに蒼江さんはしなくて良かったの……?

『姉への手紙』  門地かおり

[ 友人の言葉で、同居させてもらっている先輩の倉橋を意識しはじめた五百川は……。 ]
 倉橋につけこまれるだけつけこまれ、どんどん泥沼にハマってゆく五百川君、どうせ逃げられないのだから、もう最後までやっちゃいましょう。

『ヒーローみたいに』  やまねあやの

[ 高校三年生の要には、幼い頃、従兄の敬一に交通事故から救ってもらった過去があった。だが誰にでも優しい敬一に要は……。 ]
 義理の兄に対する気持ちが自分で判らなくなってしまった弟の煩悶は、もうちょっとページを割いた方がいいんじゃないだろうか。せっかくの山場が勿体ない。しかしいつも思うんだけど、気持ちが通じ合ってそのままエッチに雪崩れ込む二人の間で、受けと攻めっていつ決まるんでしょうねえ。阿吽の呼吸か?

『指先の罠』 直野儚羅

[ リーディング能力を持つ私立探偵の舞鶴は、助手兼恋人の那珂川から指輪を貰うが、触れると那珂川の気持ちが流れ込んできて指輪をはめることができない。そんな折、事務所には行方不明者捜索の依頼が入っていたが……。 ]
 舞鶴探偵事務所シリーズ(と言っていいのだろうか)。
 ……この人の漫画は好きなんだが、読むと怖い。絵に迫力があるだけ、スプラッタな場面が怖い。が、那珂川の男前度がどんどん上がっているから帳消しにしよう。舞鶴の友達の山下刑事も結構好きだ。ところで、舞鶴が那珂川のことは苗字呼び(君づけ)なのに、山下のことは下の名前で呼ぶ(呼び捨て)のは嫉妬ポイントではなかろうか。

 新婚特集と銘打っている割には、特にそんな感じもしなかったような。というかZipsって、毎号テーマが決まっているけど、読んでてあまりテーマ競作という気がしないんだよね。……いろいろな漫画の“ご夫婦”にインタビューするという特別企画はいったい誰が考えたんだろう。め、迷企画だ……。

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*1: 『コイズミ学習ブック』3/こいずみまり/白泉社JET COMICS/ISBN4-592-13203-3 C9979 81E
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2000.05.13 (Sat)

『ふらちなチェリーボイス』 えのもと椿

[ 男3人裸で寝ていたことに動揺する壮平は、その内の一人、神道から「好きだ」と言われますます混乱するのだが……。 ]
 巻頭カラー。
 2月号からの続き。今回から連載。
 気が強いようで流され型の主人公に、不気味な情熱で押しまくる男。うーん、するすると流しそうめんのように話が滑ってゆくけど、読者はいったいどこに感情のひっかかりを見つければいいのでしょうか。もじもじしていつまでも進展のない話もどうかと思うけど、あんまり単純に話が進んでゆくのもなあ。今後、神道の弟・森健が絡んで三角関係っぽくなるんだろうけど、もう少し細やかに感情の動きを描いてほしいな。

『この長い夏の夜を I』 よしながふみ

[ ジャックとの距離をとろうと、一人サロンに出かけたジェラールは、そこで死んだ妻の愛人だったアルマリック子爵に再会する……。 ]
 ジェラール&ジャックシリーズ
 思いもよらない再会、というか再びのアルマリック×ジェラールに驚いた。底意地の悪そうな目つきがいいですな、子爵。ところで、ジェラールのあの倒れ方では頭部に裂傷ぐらい負っても不思議ではないような気が。

『I・MY・LOVERS』 佐倉真美

[ 職場では犬猿の仲と思われている相楽と桝井。しかし自宅にもどれば……。 ]
 リーマンもの。
 おや、麗人だけの人かと思ったらそうでもないんですな。話は……、確かにやおいの語源はヤマなしオチなしイミなしだけど、今時、激しいだけじゃイカンと思うのだが。

『一発あてろ!』 祐也

[ 「LUX」がデビューして一ヶ月、ライヴツアーが始まる。しかし、大きなホールには不慣れな清水の声がでなくなり……。 ]
 カラー付き。
 コマが割ってあるんだけど何も描かれていない箇所があるのは何故〜。きらびやかな画風は年上の人物を描くときには逆に不利になるような気がする。それと、天才ギタリストだか何だか知らんが、清水の言動はあまりに幼すぎやしないか?

『恋愛宣言』 果桃なばこ

[ 息子が結婚して家に一人になってしまった会社社長の桜井雄介は、家政婦の求人に応募しに来て目の前で倒れた少年、長谷川直行を雇うことにするが……。 ]
 カラー付き(2C)。
 ベタな展開と判っていても、やっぱりハッピーエンドはこうでないと。いささか会社社長にしては雄介は直情径行に過ぎるような気もするけど、そいでもってお約束プレイの台所エッチも有りだけど、まあ許容範囲かな。お幸せに〜。

『瞳は海の色』前編 CJ Michalski

[ 幼い頃、海外旅行中に迷子になってからというもの外国人が苦手になってしまった青木秀一のクラスに、アレク、カイという二人の留学生がやってくる。アレクは秀一に親しげに話しかけてくるが……。 ]
 お告げ絡みとはいえ、「俺の考えが甘かったんだ…」と言って無理矢理エッチに持ち込み、「俺の考えが甘かった」と言って秀一が意識を失っている間に自国に連れて行く、こんなアレクシス・フルクティクルス・ノルワナ殿下(ノルワナ王国第一王位継承者)の明日はどっちだ!? ……後編を待つ。

『祈る日』 風祭壮太

[ 愛人の子だったため社内では昇進の望めない影の存在だった和泉だが、会長の死により社長となった父親から、表舞台に立つよう要請される。そのため玲司と別れるように強要されるが……。 ]
 神様が遊んでるシリーズ。
 OL達の「繰り上がった役職名覚えないと」「あーもう大変よねそれ。前の役職で呼ぶとオッサン、すねるし」という会話にまったく共感……って、そうではなくて。本当の会社にも、こういう見栄えのいい人達がいると目の保養になるんだけどねえ。

『OL!仕事人』 有里まはる

 実はこの雑誌で一番楽しみにしている話かもしれない。岩崎さんの意地悪な微笑みが好き。

 今回は割と社会人ものが多かったかな?

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2000.05.14 (Sun)

『LOVE MODE』月に願いを 志水ゆき

[ 弟の誕生日を前に、直也を拉致って準備をする葵一だったが……。 ]
 巻頭カラー。
 軽いつなぎのような話。次からは過去編突入だそうで、いつしか今回の話をしみじみ思い出す日がやってくるのでしょうか。ここのところ、面長すぎる絵が気になっていたんだけど、直也の笑顔は本当に角がとれたいい笑顔でした。それと晴臣の股間に足をやる葵一がグー(笑) ……ところで、この作品のファンのことをラブモーダーと呼ぶとは初耳。ラ、ラブモーダー?

『ハッピーエンドの続き』前編 あさぎり夕

[ 元教え子の大地と付き合っている高校教師の晶は、過去に大地と関係を持ったという美里から宣戦布告されて……。 ]
 「魅せられて」シリーズ、南部芳の双子の弟、晶の話。
 何つーか、「あなたのお口はいったい何のためについているの?」と晶に聞いてみたい話ではある。自分一人でグルグル回っているんだから、大地が誤解してキレても仕方あるまいよ。

『メイクラブ』 川唯東子

[ 北原法隆と徳永正院は法隆の姉の結婚披露宴に出席するが、そこでかつて正院と寝たことがある夏目と出会い……。 ]
 形而上なぼくら 5。
 いくら本心は“昔のことだよって、笑って何でも俺に話してよ”だったとしても、それを不可能にしているのは君の見幕だと思うがどうか、法隆。嫌なことをされてもそれを許せるのは、相手が大事だからで、その気持ちが失われた時に、修復できない亀裂が入ってしまうんだろうな。いや、この二人はラブラブですが。

『FAKE』act.19 真東砂波

[ 夫を裏切り、敵対するグループに情報を流すアリシア。リョウはアリシアの後を追うが……。 ]
 カラー付き。
 去年から途切れ途切れに続いてきたact.19もようやく終了。女性の情念が物語のキーになっていたという、ボーイズラブ系雑誌にしては珍しい話だった。続けて読めればもっと面白く読めたんだろうけど……。我が儘さがハナについたものの、アリシア自身は嫌いじゃなかったしね。

『恋愛未満のぱらだいす』 藤崎こう

[ 自分が取り持ってやった西條と双子の兄はいい仲になったのに、肝心の相手、東と親しくなれない可憐は……。 ]
 2月号掲載『オレたちは天使だ!』の続編で今度は可憐サイドの話。
 ギャグ調なところもあるけど、屋上で可憐が東に寄りかかる場面はなかなか切ない。続きは8月号掲載予定。可憐の恋路は果たして?

『恋人の時間』前編 やまかみ梨由

[ マクドナルドで会ったヒロトに一目惚れした誠太郎だが、ヒロトの評判は地を這うほど悪く……。 ]
 カラー付き。
 『たからもの』サイドストーリー。
 誠太郎の「誠」の字は誠実の「誠」とばかりに、嫌なヤツを自認するヒロトに心を開かせようとする誠太郎の姿が微笑ましい。トラブルを暗示する言葉で「続く」になってるけど、無事乗り越えてハッピーエンドに持っていけるのかな。たとえ別れたとしても、傷心な青春の思い出って感じで、それはそれでいいような気もするけど。

『夢の子供』第34話 浜田翔子

[ 蓮と寝てしまえ、と安達に焚きつけられた洋治だが……。 ]
 ボーイズ「ラブ」と言いながら、実際にはあまりもつれた恋愛心理の話は出てこないボーイズ系だけど、この話はその「恋愛」を描こうとしていると思う。で、洋治は蓮に手でやって貰ってただけで、結局は蓮×洋治なのね。いっそ洋治に蓮を押し倒すほどの勢いがあればねえ。

『せかいはふたりのために』 吹山りこ

[ あまりに堂々といちゃついているために周囲から冗談としか見てもらえない矢野治希と北浦曜は勿論本当にデキている。だが、現場を教師に目撃され……。 ]
 カラー付き。
 ……もう少し年齢にそった顔を描いて下さい……。それに中学生ならともかく高校生でこの言動は……。うーん。

 コンプレックスシリーズ、『Punch drunk babies』は作者体調不良のため休載。特に代理原稿はないようだけど、前号とくらべ約20ページしか減っていないのは、どこで調整したんだろう。

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2000.05.24 (Wed)

[感想]「西洋骨董洋菓子店」1  よしながふみ

「西洋骨董洋菓子店」1 よしながふみ 新書館WINGSCOMICS ISBN4-403-61588-0 C0979 \520E

[ ケーキ屋を開くために商社の営業マンを辞めた橘の元に最高のケーキ職人としてやってきたのは、橘が高校三年の時手酷く振った小野裕介だった。菓子職人見習いで元ボクサーの神田エイジを加え、洋菓子店「アンティーク」を舞台に繰り広げられる物語。以下続刊。 ]
 やはり何といってもこの話で一番に語らなくてはならないのは、天才ケーキ職人である小野のもう一つの顔でしょう。魔性のゲイですよ、魔性のゲイ。そしてその言葉に違わぬ、一見人畜無害そうな小野の、私服に着替えた後の豹変ぷりといったら。こらこら何気なく席を立ったと思ったら、トイレで初対面の少年に手ェ出してるんじゃないっ。勿論、読みどころはそれだけではなくて、さまざまなケーキを話に絡めながら軽妙に進められる物語はテンポ良く、楽しみながら一気に読み通すことができる。
 ところで。
 常々思っていたのだが、料理番組の最大の欠点は、視聴者には肝心の料理の味が判らん、ということではないだろうか。どんなに画面の中でゲスト達がその味を褒めそやそうとも、視聴者は匂いすらかぐことはできないのだ。漫画においても然り。
 ……私も最高の伝説の天才ケーキ職人の作ったケーキを食べてみたい、いや喰わせろっっ。

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