[ 岩城と香藤、二人の新居がマスコミにバレてまたひと騒ぎ。そんな時、岩城の母親が死去。しかし実家ではそのことを岩城には連絡せず……。 ]
巻頭カラー。
春を抱いていた・13。
岩城兄の言うこともごもっとも。お堅い役所勤めではさぞかしやりにくかったことでしょう。次号では岩城兄VS香藤だろうか。脳天気思考の香藤にはあの岩城兄論破は難しいと思うが……。というより、今のあの家に香藤が乗り込んでゆくのは地雷原に突っ込んでゆくようなものではないだろうか。いっそうこじれるだけだから止めとけ。それと、喪中の家を訪ねるなら、せめてネクタイぐらいはしてゆきましょう。
[ アパレルメーカー勤務の藤崎企画室主任と直属の部下・桜木は実は恋人同士。しかし何故か、週に一度の情事の時、桜木は決まって藤崎に女装させてから手を出してくるのだった……。 ]
コスプレ系?
ううむ、実のところ、桜木が藤崎に女装させたがる心理はよく判らないのだけど、藤崎の婦警サン姿はとってもお似合いです。ラスト一行“ココロの中を見せ合ったら欲求が直球で飛んできた。”が効いている。直球が飛んできたら、やはり打ち返すしかないでしょう(笑)
オヤジエッセイ。
……この作者のオヤジ受けもの(『君が残した気持』等)がどうしていまいちワタシ的にヒットしなかったか判りました……。あまりに純真すぎるんだわ。そういう場合はひとの良いオジサンであって、オヤジとは違うと思うのだ〜。
[ “新婚旅行中”と称してますます親交を深める蘭丸と圭。一方、佳は政の気持ちを確かめたくて……。 ]
あの場合、圭の選択としては、「その3 蘭丸のひとりエッチをじっくり堪能する」というのもアリなような。それにしても蘭ちゃんも言うようになりましたな。佳は……、相変わらず一人でカラ回りしているとしか言いようが……。
[ ジェラールから亡き妻への想いを聞くジャック。そしてその頃フランスでは革命が進行しつつあった……。 ]
ジェラール&ジャックシリーズ
五年たって髪をちょっと伸ばし加減なジャックもなかなか素敵。結局、ジェラールとの関係は主人と召使いのままなんだろうか……? しかし最近台詞が長すぎじゃないだろうか。今回は時代背景の説明も兼ねているから仕方ない面もあるんだろうけど。それにしてもフランス革命から五年……。坊ちゃんとクロードは元気だろうか。
[ アイドルグループ“THE END OF CENTURY LOVERS”ことECLの一員・藤原加央は、ふとしたことでカリスマロックバンドJEANのボーカル・倉木仁也と一夜の関係を持つが……。 ]
カラー付き。
芸能界もの。
“愛されるプロ”なんていっている割に、キャラクターが表情に乏しいのでいまいち魅力に欠ける。しかし、THE END OF CENTURY LOVERS とはまた将来性のない名前をつけられたもので。21世紀が来たらどうするんだろう。解散?
[ 社長子息の冬至は住み込みで働いている父親の秘書・竹内に対してつい乱暴な言動をとってしまう。竹内が見合いすると聞いた冬至は……。 ]
冬至が実にかわいげのない性格なので、竹内に縛られようとムチ打たれようと一向に構わないのだが、一つ注文をつけるとしたら、竹内の一人称は「俺」でなく「私」にしてほしい。
[ 神道のペースに乗せられたまま関係を持ってしまった壮平だが……。 ]
仲が悪かったはずなのに壮平が髪を切っただけでドキドキし始める森健も唐突だが、他人にあわせるということを知らない神道も何だかなあ。神道を主人公にストーカーものを描いたら怖い話ができそうだ。
[ 実はノルワナ王国の王子だったアレクに、国に連れてこられた秀一は……。 ]
訳が判らない――というかとんでもない話だったような気がする。あの状況で、どうして秀一がアレクに好意を持つのかさっぱり判らないぞ。
[ 土建屋の息子・優作と従業員で居候の泰造はラブラブな仲。それを同じく従業員でホスト上がりの菱谷に知られてしまって……。 ]
カラー付き。
新キャラの菱谷が見た目も性格もよく、なかなかいいキャラクター。しかし、泰造に惚れてたとはついぞ気づかなかった。優作を犯しつつ、「二度とこいつに手ェ出すんじゃねェ」と菱谷を怒鳴りつける泰造は、今時のボーイズラブにはめずらしい昔気質な男かもしれない。
[ 疲労骨折で入院した小林優は体を鍛えるため、退院後とあるスポーツクラブに入会する。そして夏期スポーツ合宿で川辺卓という鬼コーチの猛トレーニングを受けるのだった……。 ]
第3の手で軽々と 120ポンド(約60kg)ものダンベルを上下させる川辺コーチ……。彼のその部分は最早、別の何かに変わってしまっているとしか思えない。お耽美なはずのシーンすら、トレーニングの一環としか見えないのでした。
[ 横浜グランマリンサポーターの崎谷は、後輩でグランマリンのゴールキーパー加持の乱れた生活を更正させるため、加持との共同生活を始めるが……。 ]
加持は崎谷が好きで無理強いっぽく関係を結ぶが、実は崎谷も加持のことが好きで――という定番設定。しかし何でああ簡単に濡れ濡れの泣き泣きで感じまくりになるかな。感極まった崎谷の写生シーンでは、ついブルーインパルスが青空に白い弧を描いて旋回する様子を連想してしまった。だってよく飛んでるんだもん。
[ 瑞木は恋人で山男の拓也を遭難事故で亡くす。その後の日々を瑞木は、拓也が自分の代わりにと置いていったバイブで自らを慰めながら過ごすが……。 ]
感動路線のストーリーに一つ妙なアイテムを投入すると一気にお笑い方向に路線変更してしまうという見本。くだらなくも大仰な身振りが更に笑わせてくれます。
[ 生まれついて痛みを感じる機能が麻痺している中山亮一は何かと生傷が絶えない。そんな中山を見かねて、高橋雅之は専用の救急箱を用意して世話をするが……。 ]
痛みという感覚を共有できない点である意味孤独な無痛症の中山だが、高橋が中山の傷を見て痛がる様子を見て中山も痛みを感じられるような気がする……というつながり方はなかなか切ない。高橋の気持ちを誤解している中山に対して、高橋が「欲しいのは体だけじゃないぞ」と告げるラストはもう少し余韻を持たせてほしかった。その先の中山の表情が見たいのに〜。
読者欄での、ダイレクトHだけでなく想像力を刺激するような作品も欲しい(要約)という一読者の声に対する編集の「だ…だって…ち、ちんこが好きなんだもん」と絶叫する回答が、この雑誌の方向性をよく表していると思う。それはそれで天晴れだけど……。うーむ。
[ 平野建設会長の娘を婚約者に持つ柴賀尊弘は、知事の祝賀会で安達聖という男に出会うが……。 ]
巻頭カラー。
作者コメントにもある通り、えらく季節感をハズした話ですな。連載終了時(クライマックスの頃)には、話と実際の季節とがちょうど合うような計算になっている――という訳でもないのかな。さて話は、贈賄の現場写真と盗聴テープをネタに、何やら訳ありげな安達が柴賀を脅してますが、ところでその入札は済んだのかな? でなければ安達君はちと気が早いぞ。
[ ついに結ばれた蓮と洋治だが……。 ]
一線を越えた途端に、「慣れたいならいくらでも慣らしてやる」だの「覚悟しとけよ」だの言ってくれるじゃありませんか、蓮さんよ。そして、ヤッちゃったというのが、事情を知る人々には態度でバレバレな洋治。恥ずかしいやつめ(笑)
[ 帰り間際、友人の天野に告白した福岡。しかし「何?」と聞き返されて……。 ]
高校生もの。
1エピソードのみの話だけど、34頁をあまり水増し感を感じさせずに描いている。間の取り方が上手いのかな。ただ教室がえらく広大に見えるのが……。あとラスト1コ前の天野の表情の意味がうまく掴めない。笑っている、というのでもなさそうなんだけど。
[ 年下の研修医・津田と白石が同居しだして半年、しかし白石は自分の生き方に疑問を感じはじめていた。そんな時、過去に白石を騙してレイプビデオを撮影した巳坂が現れ……。 ]
1月号掲載『支配する指先』の続編。医者+年下攻もの。
溜息をついただけで同僚の医師がつい手を出しそうになってしまう白石の色香って一体……。流されない生き方を、と言いつつ思いっ切り周囲に流されまくっているような気がするぞ、白石センセー。まあ、そういう性格だから、支配的な性格の津田につかまっちゃうんだろうな。これもある種の割れ鍋に綴じ蓋なんでしょう。
[ ラブラブな毎日を送る紫希と千石だったが、千石から全部返してもらったはずの「初めての時の写真」が残っていたのを見つけた紫希はショックを受け……。 ]
カラー付き。
紫希の、カラダでごまかさないでちゃんと話をしてほしい、というのは至極もっともな訴えで、千石の寝技に流されずにそれを言えた紫希をやや見直しつつあったが、しかしその後の子供扱い大人扱いがどうとかいう話はちっとピントがズレている気が。というか、千石色ボケすぎじゃ。で、蓮美サンはいつの間に彼氏持ちに……(いや、そうだろうとは思っていたけどさ)。
[ 双家では、借金取りの劉から返せない借金のカタに双子のどちらかを差し出すように要求される。嫌がる姉に代わって弟の修は女装して劉家に乗り込むが……。 ]
借金を返そうともしない家の子供に、手も出さずに家事一般を一から仕込んでやり、そのあげく騙されていたのにもかかわらず惚れた弱みですべてを許し、しかも借金棒引き。笑うと怖いが劉さんって何てイイヒトなんだろう。それに比べて証文を盗み出して借金を有耶無耶にしてしまおうという修は一体どういう了見なのか。借りたもん返すのは当然のことだろーが。ああ?
[ いつしか柔道部の面々とも親しく話すようになった可憐だが、独占欲を燃やす東はそれが不満で……。 ]
6月号掲載『恋愛未満のぱらだいす』続編。
柔道着の洗濯をめぐる部員たちとのやりとりなど、意外と律儀かつ毅然としている可憐の一面がうかがえる。こういうキャラクターの意外性は嬉しい。それでもって、気絶した暴走性欲大魔人を前にして「うれしいけどコワかったよ…」という呟きはまさに実感って感じだ。
素人目にも身体のバランスが悪いとはっきり判るコマがちらほら。描きすぎでかえって絵が崩れてしまうってこともあるんだろうけど、それにしても許容範囲を超えていると、せっかくの話もギャグになってしまう〜。