[ 複数の男子生徒に手を出して教師をクビになった木ノ下(現・塾講師)を好きな有田は中学生。しかし木ノ下は有田にキス以上のことはしてくれなくて……。 ]
綴込付録でオールカラー仕立て。肌色の使用頻度が物凄いです(笑)
[ 父母を亡くして七年間、面倒を見てきた弟の洵を溺愛する手塚紘生(26)の職業は信じられないことに現職刑事。修学旅行中の洵が乗ったフェリーがシージャックにあい、紘生は現場に駆けつけるが……。 ]
巻頭カラー。
シージャックなんて派手な舞台が設定されているけど、あまり意味がないような気が。生徒が人質をとって学校の放送室に立てこもり、っていう方が無理がなくていいんじゃないだろうか。
[ 2人の妹に頼まれて、秀才の和久井とスケボー野郎の雲田にそれぞれ代理告白をすることになった穂高だが……。 ]
タイトル通り勢いついてます。もう止まれません。……っていうか、つっ走りすぎ。誤解が誤解を生んで3ピ〜突入とはまた思い切った展開で。
[ 証券マンの花田は上司から新人の藤崎の教育を任されるが……。 ]
カラー付き。
この就職超氷河期の時代に顔だけが取り柄ののーたりん社員は如何なものか。あまりに軽い藤崎の調子にちょっとムカツキ――というか、こいつがどうやって銀行の入社試験を突破できたのかが謎。雨の中の愁嘆場は妙に芝居がかっているものの、唐突すぎてギクシャクした感じが残る。後半のラブラブシーンはうまいのになー。
[ 近くの大学に通う学生ばかりが入居しているボロアパートの住人、金井はいつの間にか同じアパートに住む高林とセックスする仲になっていた。高林が他の住人とも関係を持っていると知った金井は……。 ]
一戦交えた後(オヤジ的表現)、ティッシュで股間を拭いている高林と同じく丸めたティッシュを股間にまとわりつかせたまま煙草に火をつけている金井、という場面があるけど、そのあっけからんとした情景がいかにも男らしいというか、淫靡のカケラもない日常って感じでございますね。しかしあんな安普請では、結構部屋で何やってるかなんて隣近所にバレていそうだけどな。ところで、高村が金井に「突っ込みたい」なんて言ったシーン、ありましたっけ……?
[ 人知れず既婚の同僚教師・佐賀と付き合っている司書の高石は、佐賀から妻に子供が出来たと聞かされ……。 ]
タイトルは「流行遅れの,時代遅れの」という意。何だかビーチでサマーリゾートというよりは、純日本家屋の海の家で浴衣に風鈴の夏、の方が似合いそうな二人。「裸でやんの久しぶりだな……」という佐賀の一言が、普段の二人の状況を想起させてくれます。
[ シンゴとのことを本田に知られてしまった羽鳥だが……。 ]
巻頭カラー(4C+2C)。
羽鳥の同僚編集部員と本田のアシスタント2人の見分けがつきにくくて何度か読み返してしまった。羽鳥はあくまで隠し通すなら隠す、正直に打ち明けるなら打ち明ける、と態度を決めればいいのに、中途半端に悩んでいるから一番マズイことになってしまっているような。本田からの担当者変更の申し出もやむなきことでしょう。いっそ辞表を出してみるとかどう?
[ 幼い頃に別れたカスミと数年ぶりに再会した健太郎は……。 ]
「久しぶりに出会った幼馴染み、女だと思っていたら実は男だった」の法則。正直なところ、印象的なエピソードに欠けるのでインパクトが弱いかな。
[ ハーヴェイとヤツカが別れの時をむかえていた頃、クスリを飲まなくても平気なデミウル、トナミに対して「城」から回収命令が出されていた……。 ]
カラー付き。
ハーヴェイとヤツカのラストシーンとかツヴァイの命令無視のシーンとか、もっと見せ場になるはずなのに、随分簡単に流してしまっている感じ。勿体なくない?
[ 14歳の教え子、相沢に想いをよせられている教師の橘は……。 ]
00年8月号掲載作品の続編。
冒頭の相沢の詩もどきはともかくとして、橘の隠し持っていた欲望の部分がほとんど言葉で処理されてしまっているので、いまいち「今度こそ犯罪だよ、コレは」という気がしない。もっとどぎついくらい描写してもいいのではないかなー。
[ 兄に見合いを強要された岩城は香藤を連れてホテルにとって返すが……。 ]
春を抱いていた・13。
ううーん、岩城兄、実はいい人だったんだよーん――というのは何だか反則のような気が……ってそんなこたないか。ところで、岩城のセーエキのついたシーツを見て掃除のおばちゃんは何て思うんだろうか……。
[ 神道とエッチしているところを森健に見られてしまった壮平は……。 ]
あのー、壮平と森健って仲悪いんじゃなかったっけ? 各キャラクターの心情変化がどうもよく判らないナリ。
[ 五百川と倉橋は高校スキー部の後輩先輩。倉橋は陰に日向に五百川にイカガワシイちょっかいを出すが、人のいい五百川は倉橋を疑うということを知らなくて……。 ]
巻頭カラー。
倉橋先輩大妄想記。もうスキー場で風呂場で、やりたい放題にやってます。がしかし、人格最低の倉橋がいろいろと手順を踏んでしまうあたり、逆にかなり五百川に振り回されているとも言えなくもなくも。相変わらずネームの多い作風ながらそれがちっとも邪魔にならないのは、肝心なところはきっちり絵で表現しているからでしょうか。それにしても五百川、君の思春期はどうなっているのだー(笑)
[ 弟の命を救うため、三百万の金と引き替えに蒼江将伍にその身を委ねた天雪は、連れて行かれた将伍の屋敷で、犬と交尾するか全身に刺青をするかの選択を迫られるが……。 ]
ドラマチックな場面が続くものの、急に登場人物が増えたことと、描かれる人物がいまいち年齢不詳なためそれぞれの立場と力関係がくっきりと浮かび上がってこない感じ。悪魔のような男・将伍を描くにはやや線が細すぎるんではないだろうか。とはいえ、この先一波瀾二波瀾ありそうなので、話に期待。
[ 仲間を利用し殺してきた人間に近づいてはいけない、と聞かされてきた精霊純血種のトキワ。戦争が終わった今も結界を張り森に独り暮らす彼のもとに、ふいに現れたのは……。 ]
急速に間合いを詰めてくる、それこそ物理的に大接近してくるソレイユだが、ありがちな無神経タイプではないので、見ていて好感度大。身体の7割が機械で、運動能力に長け、非常時には斧が出現することからして、先の大戦の戦闘従事員だったのかな?
[ カウサ国を目指すラクとデューンだが、その背後に迫る刺客の手があった……。 ]
う、ううーん。失礼だが、気合い入れて描いてる?と疑いたくなるようなストーリーのよれっぷり……。どこに向かって進んでいるのだ、この話わ。
[ 艶夜入院の連絡を受け、病院に駆けつけた萩原だったが……。 ]
艶夜&萩原シリーズ。
作者コメント「萩原は描いてるこっちが恥ずかしいです」。そんなら描かんどいて下さい。読んでるこっちは更に恥ずかしいです。ところでこの話、24枚もいらなかったんじゃ……。
[ 天涯の家の前で連れ去られたカヲル。彼を追って父の屋敷に向かった天涯が見たものは、裸で縛られているカヲルの姿だった……。 ]
天涯&カヲルシリーズ。
息子の愛する相手を拉致って金で雇った男達に犯させようとするとは、いい大人がいったいナニを考えておるのだ天涯父よ(呆) んでも肝心のカヲルが全然マグロ状態なのに「男が男によがる」とご満悦なんだから、本当に男色にはキョーミないのね……。しかし大ショックを受けている天涯に、父の天涯に対する行動を指して「君が僕に向ける愛情に似ているよ」と言ってのけるとは、鬼のやうだよカヲル君。
[ 陸自新隊員教育隊前期課程修了が近づき、室見班長との別れを前に藤崎は……。 ]
カラー付き。
いつの間にか室見にカラダだけでなく心もほだされてしまった藤崎……なのはいいけど、どうもこの人達、仕事にルーズなところが気にかかる。たまにはキリッとした横顔も見せてくれよ。室見にはヘリの着陸誘導シーンがあったけど、あのくらいじゃねえ……。後期教官の百道は硬派そうなので、ひとつガツンと締めていただきたい。
[ 「女好きNo.1」の辻は、友達である三瀬の片思いの相手が男だと知り、動揺した挙げ句、何故か三瀬と関係を持ってしまうが……。 ]
カラー付き。
意外性のある話は読んでいて楽しい。予想もしていなかったオチなどあるととても嬉しい。……が、この話を読んで、唐突な三瀬の「俺、辻が好きだ」「多分、おまえに恋愛感情抱くのが怖くて他のヤツに目を向けてたんだ」という台詞に納得できた読者がいるだろうか。そういう場合、事前に伏線とかほのめかしとか、何かしら読者がピンとくるものを入れておくのが定石っつーもんじゃないだろーか。
新作OVA「超人ロック〜ミラーリング〜」の広告が掲載されていたが、このお知らせを必要とする人は全読者の何%ぐらいなんだろう? 「超人ロック 魔女の世紀」をその昔、映画館に見に行ったっけなあ……(遠い目)
[ 喫茶店を経営する真渕雪之の元にいきなり現れた双子の甥っ子、秋妃と清秋。母を亡くし他に頼るアテのない自分たちの後見人になって欲しいと二人に頼まれた雪之は……。 ]
巻頭カラー。
要するに、二人が雪之の元に押し掛けてきたのは、それとは気づかずに清秋が、葬儀場で見かけた雪之の態度に一目惚れしていたから……という話なんだけど、どうにも読んでいて気持ちが盛り上がらない。誰か一人に視点を絞ったほうがいいのでは。それと双子たちは15歳だそうだが、学校には行っていないのだろうか。どうも頭でっかちな設定のような気がするなー。秋妃の一人称が私なのも違和感があるが、まずその前に秋妃という名前そのものに多大な違和感が……。マガビーでやってるシリーズの艶夜といい、独特のネーミングセンスだ。
[ 生徒会副会長の蓮見は、放課後の学校で上級生に乱暴されかけていた一年生の富永を助けるが……。 ]
何というか、時々牙が出現する口元とかキラキラおめめとか描線の細さとか、読んでいると10年前にタイムスリップしたような気分にさせられる。しかし、仔羊ちゃんに見えて実は攻サマだった富永は、しっかり口調も変わっているあたり、とんだ小悪魔か。ウケセメに年齢は関係なしっつーことですな。
[ 父親の再婚で北川望の義兄となったのは、全校生徒の憧れの的・生徒会長の須藤だった……。 ]
質問。1.親の再婚で子供の苗字は変わらないのでしょうか。2.須藤が自宅でくわえている薔薇の棘は自分で取っているのでしょうか。3.北川は弁当を作っている間、一度も味見というものをしなかったのでしょうか。4.須藤はいつも自宅のトイレにいくために学校を早退しているのでしょうか。
[ 高校卒業をきっかけに同級生の中野に告白した五十嵐。あれよあれよという間にラブラブになった二人だが……。 ]
常々、雪崩れ込みH型の話で、事前に決めておいた訳でもなさそうなのにうまいことウケセメ分担しているカップルに疑問を感じていたので、この話のような展開には納得がいった。やはり、先に意思表示するか実力行使に出たもの勝ちなのだなー。いつもニコニコ顔で優しそうな中野が、誤解した五十嵐を追いかけて、バイトも途中で五十嵐の部屋まで走っていくのがいい感じ。いざというときの行動力は大事です。しかし大文字の「彼女」に撃沈される五十嵐に、これぞまさしく『最終兵器彼女』(*1)だと思ってしまった(笑)
[ 直属上司の且元課長を好きな檪木は、それを隠して課長にある「お願い」をするが……。 ]
ボーイズラブ系にしてはめずらしい造作のキャラクターにちょっとびっくり。で、終わりよければすべてヨシだからいいけど、やはり、言葉に出さなければ一方的な行為だけしても相手に自分の気持ちが伝わらないのは当然だよ、と思ったり。まあ、つい期待してしまいがちだけどね。
[ ケンカ友達の利き腕を怪我させてしまった俺。アイツの面倒を見ているうちに……。 ]
ストーリーもキャラクターの名前さえもなく、ひたすらやりまくりの20ページ。〆は打ち上げ花火のよーなフィニッシュでした。たーまーやー。ドドーン。
受×受特集だけあって、受役が主役の話が殆ど。思ったより、通常攻が受に回る話はなかったな〜。強引に分類すると、リバに挑戦カップル『クロス・ゲーム』『HAPPY DAYS』、受が精神的攻な『不誠実なあなた』、リバOK『誘惑Lips』、受に見えて攻『空を映す瞳と雫』『天国にいちばん近い君』『咲かせ!! 高嶺の花』『天使なアクマ』という感じ?
[ 夏の夜。婚約者を亡くした貴章は、父母が死去し今は義兄の望だけが残る実家へと帰るが……。 ]
巻頭カラー。
義兄弟もの……なんだけど、話の完成度が高くて、貴章×望がどうこうというより一種の妖怪譚のような印象。
[ 友人の尾崎の頼みで、家庭教師のバイト代理を引き受けた隆文。しかし、相手の淳也という高2生は生意気で……。 ]
カラー付き。
キャラクターの感情の流れがストレートに伝わってくる話。他人の恋愛相談には乗れても、自分のことではなかなか踏み出せなくて。自分のしたことについて、ちゃんと謝れる淳也に好感度大。思いがけず素直な淳也とならば、きっと隆文もラクになれるのではないだろうか。ただし、淳也は尾崎にイヤガラセをするのを忘れないよーに。
[ 喧嘩は強いがやる気が皆無な麻生は、不良グループの使いっぱしりをさせられている小橋と親しくなるが……。 ]
高校生もの。
かったるそうな麻生と、よく気がついてちょこまか動き回る小橋のキャラ対比が面白い。そして実は、小橋は打たれ強いのだった……(笑)
[ ホストの藤崎龍夜はリストラされた中年会社員・山本正人に月50万の約束で身の回りの世話を頼む。いちいちサラリーマン的反応をする正人を面白がる龍夜だが……。 ]
カラー付き。
ううーむ。この作者の鬼畜が入ったオヤジものは読んだことがあるけど、邪悪系青年×生真面目おじさんというのは初めて。正人の年齢って、いったい幾つなんだー。40代、下手をすれば50代突入とも思えるが。そんな正人に手を出す龍夜も勇気があると思うけど、それを描く作者も勇気がある。(そしてそれを掲載する編集部も……) しかし、20代後半?と思っていた龍夜が20歳だというし、正人も老け顔なのだろうか……。お似合いのあのちんまい眼鏡、老眼鏡ではなさそうだしなあ。
[ 地元就職した滝野と東京の大学に進学した深町。遠距離恋愛中の二人は久々に身体を重ねるが……。 ]
祈る人5。
2週間ぶりの逢瀬で甘やかな時間になるはずが、何故か男力(おとこりょく by 深町)の戦いに。思いがけない展開にあれよあれよと読まされる36頁。やはり遠距離恋愛でしかも互いの立場が違う(かたや社会人、もう一方は大学生)というのは、不安の元でもトラブルの元でもある訳で、「滝野が…おれのこと…、好きってことかな…?」と尋ねる深町に、間髪入れずに言った滝野の返事はとっても男前だけど、当たり前だと思ってるなら尚のこと、そういう性分でなくてもちゃんと相手に伝えないと。でないとまた、深町にあらぬ戦いを挑まれるかもしれないし。……悪魔のような深町の笑顔と、逆襲する滝野の優しげな笑顔がとってもお素敵。