[ 何もないまま過ぎてしまった前夜にじれて、政に“大人の関係”を迫る佳だが……。 ]
巻頭カラー。
あー、どう見ても何から何までガキんちょの佳を相手に“大人の関係”を結べっつーのがそもそも無理って気がするのですが。佳はもっと己の行動を省みるべし。「壊れモンみたいに扱われんのはイヤや」ったってねー、すぐご機嫌ナナメになるわ小犬のように吠えるわ、そこらのガキなら怒鳴りつけもできようが組の大事な跡取り息子だから丁重に扱われてんじゃんよ。それでも政の表情は「困った子供を相手にしている男の顔」ではあるけど、既に守り役の仮面は外してるように思えるのだけど。
[ 尚成と少しずつ気持ちが近づきはじめた倫だが、突然現れた雪也がことあるごとに邪魔をしてきて……。 ]
尚成と倫の間を引き裂こうとする雪也の態度があまりにも見え見えで、いっそ小気味良いほど。もう少しその根性曲がりぶりを堪能したかったな。結局、倫は一体どうやって閉じこめられていた小屋を脱出してきたのだろう。そして、尚成と倫の気持ちが通じたのはめでたいが、尚成は自分を置いていった祖父のことは赦したんかね……?
[ 教師と生徒という立場を越え、緩やかに触れあう橘と相沢だが……。 ]
8月号、10月号ときて第3弾。
大人のつもりの教師・橘、マセガキ生徒の相沢につけ込まれるの図。“相沢が強いのかオレが弱いのか"って、悩むまでもなくオレが弱いに決まってるんじゃないですかね、先生。ちょいとエキセントリックな生徒に幻惑されているようでは、今後の教師生活が危ぶまれるなー。しかし、夢見るような瞳で自慰の素晴らしさを語る14才ってのもなあ。結局このイノセントさは思春期前限定という気がしなくもない。
[ 高校生の右京は、ある日子供達にいじめられていた一匹の野良犬を拾うが、実はその犬は右京に恋い焦がれていたのだった……。 ]
カラー付き。
犬×人間(笑)
とりあえず人間化した犬(クロ)が男前なので流されて読んでしまうが、一通り読み終わった後に内容を考えると凄い話ではある。カラダの相性は種族を越えるというか、目の前で突然人間化した野良犬相手にラブラブ気分になってしまう右京の柔軟性には恐れ入る。呑気に「どーすんの俺」なんて言ってる場合なのか……?
[ ジャコバン・クラブが支配する革命後のフランス。囚人となったアルマリックの密告により、ジェラールとジャックの身にも危険が迫っていた。 ]
ジェラール&ジャックシリーズ。
今回の見所は何と言ってもジェラールの女装でしょうか……。それと、命乞いが叶わないとみるや、ジェラールの過去とジャックの身分を委員会に密告したことをジェラールに告げるアルマリックの卑劣ぶりも見事。さすが腐っても貴族というか、プライドの権化ですな。急転直下で、どシリアスな展開になったこのシリーズ(今までがギャグだった訳じゃないが)、次回最終回。
……ところで、この話の正式なシリーズ名称は何というのでしょうか。ジェラールとジャックでOK? しかし雑誌を見るとLOVE・EPOCHシリーズとも書いてあるし、以前はこの世でただ一つの瞳シリーズとか何とかいうのもあったような気がするんだけど。
[ 人気ロックバンドSucceedCoverのボーカルNAOYAは、箕輪俊明にとっては仲良しの“お兄ちゃん”。芸能事務所バーニーズのオーディションで準グランプリとなった俊明は、半年ぶりに尚哉に会いに行くが……。 ]
カラー付き。
俊明もかな〜り回ってるけど、尚哉も相当1人で回っているとしか言いようがないような。白泉社時代から割と色もの設定な話を描く漫画家さんだと思っていたけど、芸能界もの等はとかく設定に枚数がかかるので、その分、話が薄くなってしまうような気がする。(私感120%)
[ 父親の墓参りに訪れた街で、ルークは異母兄弟のビンセントと決闘をするはめになる。死んだルークの父は街のボスだったのだ。 ]
西部劇もの。
絵がとてもなめらかで綺麗です。しかし「ケンカ売ってボコボコにされた」というには、あのルークの顔はキレイすぎでしょう。それはともかく、主要キャラクターのルークとビンセントが決闘、だなんていう荒っぽい展開に、この話は命のやりとりが日常茶飯事、腕の一本ぐらいないのが当たり前……、な世界が舞台なのかと思ったけど、そうでもなかったかな。決闘の決着のつけ方は、まあ納得がいくけど、この息子たちではWILD SONSというには、ちとスケールが足りないという感じ。
[ 先生たちの攻撃によりトナミはキリと引き離され「城」に連れ去られてしまう。一部始終を見ていた西の男・ミトウは……。 ]
大増50頁。何となく読んでいて『イズミ幻戦記』(*1)を思い出してしまった。ツヴァイはミトウに蹴り飛ばされて復活(ちと違う)、ヤツカを失ったハーヴェイはある決意を固め、そして世界をコントロールする「城」に疑惑と叛意を示しはじめる民衆たち……。なんだけど、扇動しているミトウ自身がその反応に「ふん、単純な」と呟いていたけど、いくら先生たちの暴れぶりを間近で見ていたからといって、ああも簡単に動かされるものだろうか。そこのところ、もうひとつ決定的なエピソードがほしいな。
[ 憧れの人だった森人先輩から結婚することを告げられ、意気消沈する森咲瞳(♂)は電車の中で痴漢に遭うが、何とその痴漢は森人から家庭教師を頼まれた、森人の従兄弟・切間竜也だった……。 ]
巻頭カラー。
育った環境のせいもあり、いまいち意志薄弱な瞳が、年下のくせに支配者然とした竜也にヤリたい放題翻弄されながら自分に正直になっていく話。作者お得意の束縛系ストーリーですな。ううむ、何故にスーツ姿なのにああもムッチリしてるんだろう。男物は直線的なラインのはずだが……。それと竜也こそ、とっとと瞳に告るように。
[ シシルが年下と知り、衝撃を受ける晴己。仕事先でシシルの父親のことを知った晴己は……。 ]
ど、どうしてシシルと晴己がそーいう関係になっちゃうのかが判りませんでした。二人の間にきちんと感情のやりとりがあるだけに、オラオラガバーッってな押し倒し系の話より「何故ここで押し倒す〜?」という驚きは深く。何回か読み直してみたもののやはりシシルの行動は理解不能でした。でも晴己はちゃんとそれを受け入れているんだよなあ。話から置いてきぼりをくらった気分です。無念。
[ 千里に別れを告げられた光太郎は……。 ]
「100%ダメって解っているなら、ちょっと余裕残して降りた方がいいじゃないですか」という光太郎の辛さはきっと千里には伝わらないんだろうなと思いつつ、しかし自宅訪問先で、突然そんなことを打ち明けられてしまった銀行人事部のおじさんも、さぞや内心困惑していることでしょう、と彼の胸のうちに思いを馳せてしまったのでした。
[ 古なじみの友人と飲んでいるうちに、いつの間にか“まさみさん”のお披露目をすることになってしまっていた透は……。 ]
透の元同級生、佐伯がいい味だしてます。――が、個人的な事情はどうあれ、男性が同性に恋愛感情を持つならば、「自分は少なくともバイである」という認識は必要なんじゃないだろうか。透は「男だから好きになったんじゃない」んだろうけど、でも「男を好き」にはなった訳だからして。「あの人は特別だ」と思ってる当人はそれでいいかもしらんけど、思われてる相手からしてみれば、自分の性を否定されているような気になるんじゃないかねえ。それとも、いつまでも相手をそうやって天使扱いしてるから、透はまさみに手も出せんのだろうか。
[ 冬休み、正院はパリへ、法隆はハワイへそれぞれ旅立つが……。 ]
形而上なぼくら 7。
収まるべきところに収まったという展開だけど、これを予定調和と感じさせないのは、二人が思い悩む様子が丁寧に描かれているからでしょうか。ラストの子供っぽい二人がとてもカワイイです。だが、法隆がプロ入りを断ったその日のうちに「今日はサーフィンせーへんの?」とへろりと言ってしまう正院って、意外と無神経なのであろうか……。確かに法隆、君は大人になったようだ。
[ 想いを確かめあうラクとデューン。二人はカウサの王宮に到着するが……。 ]
何というか、すべてが安直すぎるというか、暴言を承知で言えば書き割りの舞台でやってる学芸会を見ているようです。しかもあの場面で、何を考えて黒幕ルンドはベラベラすべてを白状しとるんでしょうか。それがルンド流「王子をこちら側に引き込む」方法なんでしょうか。っつーか、これで最終回にデューンがルンドに背くんだろうけどさあ……。
[ クラスメイト達とも馴染むようになった佐伯にヤキモキする八尋。おまけに、二人の間に佐伯の元同級生だという哀川が割り込んできて……。 ]
胸騒ぎの放課後シリーズ。
たとえ定番設定だろうが、いつも手堅く話をまとめてくる作者なんだけど、今回は山場がするすると逃げていってしまった感じが。盛り上がりどころを求めて読んでいるうちに終わってしまいました。ラストの八尋と佐伯のラブラブシーンも、いつになく積極的な佐伯に「酒でも入っているのか?」と思うばかりだったし。佐伯って、何か特別な事情に後押しされるように行動に出るタイプだと思ってたんだけどな。佐伯には佐伯の事情が……という別バージョンの話はないのでしょうか。
[ 通りかかるライダー達に仕掛けて重傷を負わせる正体不明の“魔魅坂の幽霊"――それは中学生の彦根だった。 ]
あふれそうなプール番外編。
彦根の中坊時代の話。「こう見えてもおりゃ中坊の時ん凄かったのよ」という自己申告通りの暴れぶり……っていうかそれ以上でございます。彦根を捕らえたグループのリーダー鷹巣が、仲間内ではそれなりに人望がありそうな人物なのがいいっすね。単なる勧善懲悪ものではつまらないし。まあ、警察からみたらどいつもこいつも補導要件を満たした不良どもなんだろうけど。しかし、このメンツなら、鷹巣×彦根より鷹巣×桜乃の方が気になるざんす。
「つまらない」とか「好みに合わない」とかいうよりまず、読んでいて首をひねるような話がぼつぼつあって、いまいち納得できないものが……。
「弥太郎と花村先生のマンガの花道」が終了。(多分) 結構好きでしたよ、これ。