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2001.06.07 (Thu)

『イロコイ』5nd night 新田祐克

[ 鷹秋に対し新川への態度についてシロクロつけるように要求した剣崎は、鷹秋のやり方に憤慨するが……。 ]
 巻頭カラー。
 男が男を愛する時シリーズ。
 剣崎ぐるぐる回るの巻。というか、一番わけわかんねェ!!のは君だ。いったい鷹秋や新川にどういう反応をしてほしかったのだ、剣崎よ。あっちで余計な口を差し挟み、こっちでひとり気を揉み、何だかお節介なクラス委員みたいだぞ。まあ、この自分では意識していない一人上手ぶりがいかにも恋のとばくちといった風で微笑ましくもあるのだけど。ただちょっとだけ違和感があった箇所としては、駐車場で立ちつくしていた新川の手に触れた剣崎がその手の冷たさに驚くシーン、ここで、冷え切った手→長時間ただここにいたらしい→剣崎、新川の受けたショックの大きさに気づく、と先読みしてしまったので、剣崎が新川の無表情さにばかり注目しているのがアレレ?と、ちと蹴躓いてしまった。新川の様子のおかしさを“変わらない表情”か“冷たい手”のどちらかに絞るか、2人のやりとりにもう1アクション欲しかったところ。
 それにしても、一見華やかなホスト業界の裏に渦巻く人間関係、しかしそこにはオンナの影は微塵もなく……というあたりが凄まじいですなー。

『恋の渇き』最終話 穂波ゆきね

[ 愉香が亡くなってから学校に出てこなくなった卓を気遣い、竜巳と織衛は卓の家を訪れるが……。 ]
 とりあえず“セクシャル・ロマンス”というキャッチフレーズほどには性的なものは押し出されてきてはいないという気がしますが。結局、どういう話だったんでしょうかね、この話。ON/OFFで切り替えられるのが当たり前だったのに初めてリセットが効かない事態にうろたえる今風な世代を描く……というには、当初からかなりウェットな雰囲気が漂っていたしなあ、彼ら。ああ、でも、まだ愉香が死んでひと月もたっておらず彼女を忘れられなくて当然な時期なのに、日常への復帰ができないことをまるで罪のように語る織衛を見ていると、若さ故の過ち、性急さ、思いこみの激しさ、というようなものを感じてしまいますねー。そんなに簡単に気持ちの切り替えなんてできる訳ないのにねえ。といいながら反面、すでに彼らの心は愉香への恋情から次のステージに移りかけているような印象を受けなくもなく。曖昧なようでいて激しくもあり、自己を御せない様子はいかにも少年から青年への過渡期にあるという感じで、主題がそれだから話の輪郭もいまひとつとらえどころがなくなってしまう……のかな。しかしながら、三人を繋いでいるのは互いに対する欲望じゃなくて、共通で好きになった女性への思慕の情だし、話そのものの出来はさておき、ボーイズラブ系雑誌に載せるより、一般雑誌(読者年齢層が高めのところ)の方が向いていたんじゃないかなあ。何はともあれ、難しい原作を振られてしまった作画担当さんはお疲れさまでした。……で、コミックス発売予告でタイトルの後ろにくっついてるものが気になってるのですが。何ですか、完全版って。

『ハンコください!』 神葉理世

[ 速達を届けに来た郵便局員、橘川雄司に一目惚れしてしまった大学生の真柴文人は猛アタックを開始するが……。 ]
 社会人×大学生。
 いくら文人に未練たらたらな元カレから予定外に実情を暴露されて切れたからとはいえ、文人の橘川への迫り方は超強引。一人でカラ回りな暴走&邪推で被害妄想に陥った挙げ句、厄介払いしようとしてない証明に今すぐセックスして……ってアンタ。理屈もへったくれもあったもんじゃない。よくあれで橘川が脱兎の如く逃げ出さなかったものである。ていうか、あれで文人とセックスしてしまえる橘川もどういうヤツだ。橘川の言った「ごめん」の意味も明かされてみれば、なんじゃそら?という感じだったし。とにかく文人が、恋に一途でカワイイ……というよりはゴーイン我が儘自分勝手としか見えなかったのがツラかったです。文人にいい印象がないもんだから、橘川に会えなくて涙にくれている時も「ザマーミロ」としか思えなかったし。(悪人) でも文人の部屋を再訪問した橘川の台詞だけを読むと、別に文人を好きだ、と明言してる訳ではないんだよね。これで恋人気分の文人と友人気分の橘川の勘違いすれ違いストーリーが展開されたら面白いのになァ、などとイジワルの極致の気分で考えてみたり。
 ところで、ただの速達には受け取りのハンコはいりまへん。配達証明か簡易書留にすればよかったのにゃー。

『伊達な愛じゃねぇぜ!』 美輝妖

[ 高校一年の織田一馬が父親から受け取った誕生日プレゼントは、何と一馬付きの忍者・伊達伊吹だった……!! ]
 カラー付き。
 お付きの忍者×主人の少年。
 ――という訳で現代設定にあるまじき忍者もの。陰になり日向になり一馬に付き従いその身を守る伊吹は、当然の如く伝統の忍者装束に身を固めている本格ぶり。ところどころ話の展開的にも描写的にもスキップするのでツッコミどころは多々あれど、その破天荒ぶりがいっそ小気味よい。幼い頃から一馬のそばにいた伊吹が、何故いま姿を現したのか、その理由は「一馬様の自慰が見受けられ精通されて大人に」なったからだというのが、またすんばらしい。そして勿論タイトルは伊吹の苗字とひっかけてあるのだな。……和むわー(笑) 一番ウケたのは、「一馬様を他の者にはやりませぬっ」という伊吹に対する一馬の「オレはオレのモンだああ」というリターン。いやはや、でも確かにその通り。

『同じドアをノックしたい』 かいやたつみ

[ 同じゲームソフト製作会社に勤める今村と豊原。新入社員時代に企画が大当たりしたものの、その後鳴かず飛ばず状態が続いている今村だったが……。 ]
 ゲーム系リーマンもの。
 仕事絡みの話で一緒に仕事がしたい云々という展開になってくると、「その人の能力を評価してるから」だけではなく、才能評価と個人的愛情を一緒くたにした流れになってゆくのは何故だろう。確かに気の合わない人間よりは親しみのもてる相手との仕事を選びたいものだけど、しかし選ばれた側としては、仕事と愛情は別の引き出しに入れておけというかそんな公私混同な判断をされてもあまり嬉しくないんじゃなかろうか。殊に才能評価より愛情の比重が大きそうに感じられる場合には。などと豊原の言動を見て思ってしまった。

  • 『時の羅針盤』暁人と高見沢が一目見交わしただけで強く惹かれあったのは、前世からの恋人だったからという設定はどうでしょうか。どうせだったらドラマチック路線を極めてください。
  • 『ベイビーピンク』もう少し時間の経過描写とか背景とか入れてくれないと、何がなにやら。
  • 『藤堂家のDNA』馬鹿につける薬ナシとはこのことか>藤堂 それでもって子供は周囲の人間を見て育つんだから、別に遺伝子の問題ではないと思うのだが。
  • 『雨の音は聴かない』ヨウジの第一印象が「癇性な男」だったもので、普段はユタカにベタ惚れ状態なのに違和感を持ってしまった。ちょっと登場人物それぞれの気持ちがすんなり伝わってこない感じ。しかしユタカの台詞、「お前に抱かれると勃つ」って、そりゃそーとーハマってるんじゃ……。
  • 『ブレックファースト・クラブ』高校生男子をそんなにひょいっとお姫様だっこできるものか……? お約束の通じない相手(教頭)を介入させてきたのは、仲間内のなあなあで終わらなさそうでいい感じ。ただあまり脇にくせ者を配置すると主人公の影が薄くなってしまうから要注意。

 館野とお子『突然炎のごとく』が初回から落ちて、次号予告にも名前ナシ。ちょっとしょんぼり。
 表紙と連動している「妄想架空激情禁断の園」企画。それじゃあ、表紙が今市子だったりしたら今さんのエロい絵が見られたりするのかしら……?と腐れた思考を抱いてみたりする梅雨の空。

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2001.06.15 (Fri)

『花束なんか欲しくない』 やまかみ梨由

[ 鬼の書記会計・海棠力也と生徒会長の源蘇芳は幼馴染み。すっかり遊び人になってしまった蘇芳に力也の堪忍袋もぶち切れがち。そんな折、蘇芳が抗議のために生徒会室に乗り込んできた下級生の藤枝に本気で惚れたと言いだして……。 ]
 巻頭カラー。
 原作:斑鳩サハラ。
 源氏の君だのサン・ジュスト様だの、ややお約束混入気味の学園もの。勿論男子校。
 幼い頃は力也が蘇芳の兄貴分だったが高校生になった今では、蘇芳の能力才能ルックスすべてが並以上で、力也は蘇芳の上手には立てなくなっていた――というのが基本設定。なんだけど、再三再四そのことが作中で語られるにもかかわらず、うまく飲み込めないのは何故だろう。力也にもそれなりに能力があって判りやすい“愚兄賢弟”じゃないからか、それとも力也、蘇芳双方のモノローグが入ってくるからか。いまいち二人の感情の起伏がストレートに伝わってこなくて、読み進めながら話の上っ面を読まされてるなーと思うこと度々。(原作小説は未読なので、そちらとの比較ではなく、漫画作者が作っているだろう世界のイメージの深いところに入り込めないという意味で>上っ面) 当然くっつくんだろうな、と予測がつくのに力也、蘇芳、それぞれの互いを想いあう気持ちもピンとこなかったし、力也がキャンキャン言うほどに、プレイボーイと評判な蘇芳がいつもと違ってどのくらい藤枝を特別扱いしていたのかもよく判らなかった。とにかく伏線は張ってあるし唐突な展開もないのに、キャラクターの気持ちが掴めないという不思議な話でした。力也が、自分の思いに戸惑いつつ、愛されたことを忘れないと語った以前蘇芳と付き合っていた下級生に思いを馳せる場面はなかなかロマンチックだと思うんだけど。しかし力也ってかなり性格的に女のコ入ってますねー。それと、阿久津ってもっと情報通なヤツかと思ったけどそうでもなかったなあ。来年1月号に続編掲載予定。

『LOVE MODE』I'm hungryII 第2回 志水ゆき

[ 葵一が何者かに拉致されたらしいと知った怜二たちは慌ただしく動き出すが……。 ]
 晴臣の「今まで」が語られたんだから、天雷の過去編もないと不公平じゃないだろうか。というか、これから血縁であるが故の憎しみとか、すれ違い食い違う心と心、なんてものを演出してゆく上で、天雷の感情の背景にあるものが明かされているかいないかで、大きく読者側の反応も変わってくると思うんだけど。そのあたりのことは、これから徐々に(たとえば葵一を連れての逃亡中にとか)明らかにされてくるのかな。しかし、晴臣こと天雪よ、生き別れの弟に何年かぶりで再会したというのに名前も呼んでやらんというのはあんまりじゃないのかー? で、葵一くん、「自分だけが不幸でかわいそうだとでも思っているのか?」ったってねー、そんなこと何のなぐさめにもならんのだよ。

『迷彩天国♪』〜天国(パラダイス)の男達編〜 神崎貴至

[ ささいなことで室見と口論してしまった藤崎。いつまでもこだわっている室見に、藤崎は、以前気になることを言っていた百道に相談するが……。 ]
 うーむ、相談を受けた百道の読みは実はハズレていて……という展開なのだけど、室見が不機嫌だった訳がいまいちすんなり理解できなかったっす。(三遍くらい読み返してようやく……) 百道の着目ポイントと室見がこだわっていた点が出来事的に近接しているので、いっそ全然別のところに設定した方が、後で「なんだそーいうことか」とポンと手を打てたかと。読み方が悪いのかな?
 それにしても、藤崎の行動力は、心さえ定まっていればブルドーザー並みですなあ。百道に対する今回の態度とか、もう立派な男前君だ。そして、シャワーどころか布団もカーテンすらない新居での初H。いやあラブラブ。末永くお幸せに〜〜。でも特別編で、百道×藤崎も見たかったけどなー。ちぇー……って、悪趣味?

『腐った教師の方程式』VOL.39 こだか和麻

[ 透や雅美らが引率する敦たちの修学旅行先に、なんとまさみが現れて……。 ]
 修学旅行編続き。
 うーん、由里子と晃司の間をまとめにきてますなー。前からくっつきそうでくっつかなかったこの二人(そしてこれからも具体的な描写はなし、かもしれないけど)、これでこの二人に関しては今後の方向性は示された思っていいのかな。ただ、これが伏線やショートエピソードというより、敦と雅美をくっつけるにあたっての「段取り」と読めてしまうのが、この連載も続きすぎたという感じがしないでもなく。まあ、あくまで晃司に敦を追い求めさせ続けて、晃司、敦、雅美のマジで泥沼な三角関係路線突入〜、という手もありますがねえ。そして、透×ますみ……、君たち、いつの間にそんな腐れバカップルに成り下がったんじゃ〜〜。

『君を抱締める両腕』前編 みささぎ楓李

[ カシアスの元を訪ねる艶夜。一方、萩原は自分の気持ちを伝えようと艶夜に電話をかけるが……。 ]
 艶夜&萩原シリーズ。
 いやあ、相手の性格をばっちり把握しているキャラが出張ってくると、話の進み方が早くて爽快ですねえ。カシアスったら艶夜に向かって言うわ言うわ、遠慮のえの字もありません。図星というのは秘孔の一種で突かれるととても痛いところなんだよー。萩原からかかってきたケータイを前に、カシアスがいる別室へのドアを窺い見つつ、電話に出るかどうか逡巡しまくりな艶夜の表情に大笑い。とにもかくにもめずらしく艶夜がかわいい今回でした。後編ではいよいよ思いを互いにぶつけあう萩原と艶夜……という運びになるはずだけど、面倒見のいいセコンドがいなくなって、二人ともまともに本音を吐き出せるのかしらん。ゴングがなったところで以下次号。

『STORM 幸せになりたい』最終回 水上シン

[ 徐鉄と狼の関係を誤解した烈虎は、狼を己のものにし自ら山賊の頭となる。それを知った徐鉄は烈虎に刀を向けるが、一騎打ちのその最中、黄爺に率いられた兵たちが砦に襲いかかる。 ]
 黄爺の高い身体能力に驚きましたなり。終盤ちっと語りぐせが出たというか、モノローグで済まさないで、もうちょい粘って絵と台詞で読者に徐鉄の内心の虚しさを読みとらせてほしかったな。そしたら勝手に読者の方で同調しますから。……ところで徐鉄は何を食って育てばああも直球すぎる男に成長できるのだ? あの単純さは無神経スレスレだと思うぞ……。山賊討伐という話そのものの落ちのつけ方はかなりの力業。というか強引すぎじゃあ……。読んでて口がぱっくり開いてしまいましてよ? それはさておき、結構JUNE本道な話もいけるというのは予想外だったです。(大失礼) 次はどんなお話なのでしょうか。

  • 『ままごとキッチン』前編 「好きな事仕事でいいですよね」というのは人によっては地雷かも。熊木が自分に気があると知った尚人の受け止め方がグー。
  • 『夢の子供』そこで肝心の蓮を轢いてしまったらシャレにならんぞい。(轢いてないけど)
  • 『Punch drunk babies』れ、練習はいったいいつしているのでしょうか……。

 鼻筋を長くすればいいというものではありません。

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2001.06.26 (Tue)

『デンキ』 直野儚羅

[ 高校一年の宝コウザは生まれつきのコワイ顔の上に、ピアスと髭を兄に強要されて、学内では同級生はおろか上級生にまで遠巻きにされる存在だったが……。 ]
 初の巻頭カラー。高校生もの(ただし諸事情により20才×16才)。
 いつも思うことだけど、一風変わった話を描く漫画家さんである。奇を衒っている……というのではなく、ごく自然に風変わりな話を思いついてしまうタイプなのかな。今回の攻めくんである透は、人当たり良くにこやかだし礼儀も知っているけど、存外に押しが強く実は大胆だったりして、そこはかとなく鬼畜なかおりがするのがいい感じ。笑顔の下にどことなくエゴイスティックなものを隠している風なのが、たまらーんというか(笑) コウザが見かけと裏腹に純情可憐だから尚更そう感じられるのかもしれないけど。実際のところ、心情を告白したのはコウザが先だったんだけど、それで透も踏ん切りがついたんだろうなァ。「俺が…もう透君に近づけない」と涙をこぼすコウザに対する、透の“あーもう仕方ないなあ”とでも言いたげな降参シーンがまたグーです。しかし感電しながらのHって、何気にヤバげなような。

『永遠の約束』 内田かおる

[ 三年生退部の時期を控えて、弓道部の今後について思い悩む大滝。そんな時、一年の岡宮が段位を持っているクラスメイト・桐生を引っ張ってくるが……。 ]
 カラー付き。
 葉山×大滝の弓道部もの。 00年11月号掲載『永遠のため息。』、01年1月号『悩み多き者よ。』の続編。
 傍から見てると、どうして葉山はHの時の大滝の羞恥心を理解してやれんのだろう、と思ってしまうけど、葉山がちょいとばかし強引なリードをしてしまうのも、葉山には相手を好きな気持ちは自分の方が勝っているという気持ちがあるからなんだろうな。それは裏返すと、常に弓道部優先で、しかも大滝の“戦国武将”な性格上、向こうからの愛情表現はあまりないという、大滝とのお付き合いへの不安感で。(不満感ではなく) そのあたりのことを葉山はいつも笑いに紛らわせてしまうけど、でも、大滝側からすれば、そんな葉山の韜晦のせいで葉山の本意が見えなくなってしまう。まあ、悪循環ですね。だけど桐生が大滝に迫って来た時に葉山は大滝の判断を尊重する、とあえて何も言わなかったけど、こんな時くらい、というかこんな時こそ、自分の率直な気持ちを大滝に伝えても良かったんじゃないかと思うんですが。そういったところに葉山の大胆なようで本当は臆病なところが窺い見えるような気がいたします。Hシーンで終わらないラストも、しみじみしていてまた良し。9/7コミックス発売予定。

『丸ノ内ラプソディ』 猫田リコ

[ 何故か見知らぬ場所で朝を迎えた深見は、何故か隣に部下の桜伊が寝ているのを発見するが、何故そうなったのかは忘却の彼方で……。 ]
 カラー付き。
 上司(部長)×部下のリーマンもの。
 妄想と現実が入り混じり、狂騒的な夢のような話。ミュージカル化したらどんなだろう、と思ってしまいました。妄想過多な深見も結構乱暴者な桜伊もいい味を出してます。ただ桜伊を怒らせてしまった深見が「でもオレは桜伊だから勃った。桜伊がホントーにオレの事好いてくれるから……」と言うのはズルいんじゃないですかねえ。桜伊が自分のことを好きだと知る前から、深見部長ったら桜伊に欲情しとったでないですか。恋愛はロジックじゃないとは誰かさんの言葉ですが、さすが女たらしと評判が立つだけあって、言いくるめ方もなかなか年期が入っているようで。コミックス8月発売予定。

『LIVE & LET…』 西田東

[ 裏社会とも太い繋がりのある金融会社の北村らは、大口の手形を不渡りにさせた島田に報復に出るが……。 ]
 殆ど前ふりなしの18頁。憎しみに似た強さで惹かれあう北村と島田。甘い言葉の一つもあるでなく、荒々しく互いを求め合う姿は、しかしながらきっちりやおいテイストを醸し出してます。さすがな作者の腕ですなー。なかなか迫力のある一作になってます。で、組織に追われることになった二人はこの後どうなったのかなー? とりあえず、海外にでも逃亡するのだろうか。そしてラストのコマ、北村の軽快な足取りからして、「……おまえは、もうちょっと××だと思ってたよ」(一部伏せ字)という述懐はあながち嘘でもなさそうな……(笑) ところでコミックスはまだ出ないのでしょうか。

『海亀卓球物語』 CJ Michalski

[ 卓球部の竜崎に一目惚れしたラグビー部所属の亀山は、卓球部に転部を申し出るが……。 ]
 高校生もの。先輩×後輩。
 うっ……。下ネタ系のギャグは決して嫌いではないものの、スカトロ関係に近いものはねえ……やっぱり……。見開きでの海亀産卵シーンはもう絶句するしかないっちゅーか……。最後の亀と戯れる竜崎先輩は素朴に可愛いんだが……。でもこの人、結構人を人とも思わない性格をしているよーな……。

 おとなしい感じの一冊だったですな。

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