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2002.02.23 (Sat)

『YELLOW』 立野真琴

[ 横取り屋のゴウとタキ。今回の仕事は、某組幹部が奪ったコカインを探し出すというものだったが、殺された幹部の愛人・ミチルは実は男で……。 ]
 巻頭カラー。
 01年 10月号の続編。
 うーん、このシリーズはゲイのゴウとヘテロのタキの間にある信頼とも恋ともつかないものを描こうとしているのかな。二人の関係がどう進展するかの鍵はタキが握っているようだけど、いまいちタキが本心を明かしてくれないのでもどかしい感じ。まあ、そのところは今後(あれば)に期待ということで。
 ところで今回の話は、オチがピンとこなかったのがちと残念。コカインさばいた代金でミチルにベースボールカードを遺したといわれても、たとえそれが10万ドル以上の価値があるとしても、ベースボールカード……? 読んでいて首を傾げてしまったのが正直なところ。あんまり野球に興味ないからなあ……。

『LOVE MODE』キミトイツマデモ。 志水ゆき

[ 無事に高校を卒業したいずみだったが、最近高宮の様子がおかしいのが気になって……。 ]
 久々登場、高宮&いずみ。あ〜、ライトでハッピーなのはいいですねー。二人のラブラブな様子が和ませてくれます。って本当は重要な転機の回だったのかもしれないけど。「一生」なんてサラリと口にしてしまういずみの確かさに高宮は随分と救われているのでしょう。
 そうそう、いずみの「別にして欲しいとかじゃないからなっ!?」に、「ウソつけ」と突っ込んだ人、手ェ挙げてー。しかしですな、下手に禁欲して、いざという時加減がきかなくて後々いずみが大変で、となるなら、毎日ちょっとずつ発散させるのはどうでしょうか。……高宮が腎虚でくたばるな。

『焦がれる指先』第2回 東野裕

[ 若宮の元を訪れた津田だが、津田と白石の関係は津田の両親のそれと似ていると言われ……。 ]
 押しすぎる津田が悪いのか、引きすぎる白石がまずいのか、「白石もお前の強引さに引き摺られているだけなんじゃないのか?」という若宮の言葉はまさにその通りなんですが、傍目にはどうあれ、片方がどれだけ強引であってももう片方がそれに同意している、もしくは嫌悪感を持っていなければ基本的に問題はないはずなんですがねえ。やはり何よりも、津田と白石の間で意思の疎通が上手くいっていないというのが一番にして最大の問題なのではないでしょうか。面と向かってがダメなら、とりあえず交換日記でもしてみたらどんなもんでしょう。
 で、白石に急接近してきた若宮ですが、本気で白石のことが好きなのかな? どうも策略づくとしか……。でもまあ吐息一つで同僚医師(男)を赤面させた過去がある白石だからして、知り合ったばかりの若宮が惚れ込んでしまってもおかしくないのかもしれませんが。
 次回最終回。

『開いてるドアから失礼しますよ』 山田ユギ

[ 正一・19歳、俊二・17歳の夏。両親が留守にしている間、二人きりで過ごすことになったが……。 ]
 1月号の続編。10年前に俊二が家を出るまでの経緯が17歳の俊二の視点から語られる。幼い頃からの回想を織り交ぜつつ話が進むんだけど、現在部分と回想の部分の区別がコマ枠線の強弱ぐらいしかないので、ところどころちょっと混乱する。
 内容は――切ないですねえ。俊二を好きな気持ちを封印してしまおうとする正一と、それを受けて出ていく俊二。どうして人はその相手を選んで好きになるのか、きっと言葉で説明なんか出来なくて、ただその気持ちが在るだけ。そして想う強さは変えられない。直球勝負の漫画です。
 続きは7月号(*1)

『プリティ・スクープ!』〜俺だけのスクープ編 大和名瀬

[ 南条先輩の優しさが判りかけてきた佐田。そんな時、南条の父親が新聞記者だということを知るが……。 ]
 カラー付き。
 2月号の続編。
 大変描写が丁寧で好感が持てる作品。……が、先輩後輩としていい感じなだけに、南条が佐田にキスする場面が唐突というか、むしろ南条と佐田にはこのまま清い仲でいてほしいなーと思ってしまいました。むーん。

『胡桃の中 II』〜うそつきな天使〜 川唯東子

[ 中居がビルから転落したと聞いて病院に駆けつけた谷崎は、そこで良太という子供と知り合うが……。 ]
 01年 11月号の続編。
 目が見えなくなるかも知れない妹のために、パウル・クレーの天使の絵が欲しい良太。本物の(実は谷崎が模造した)天使の絵と、良太が妹の為に一生懸命練習した天使の絵。妹が選んだのは……という話。ボーイズラブ風味にはかなーり欠けますが、なかなか渋いお話なんじゃないでしょうか。中居は前回うるさすぎて大減点でしたが、今回のでプラマイゼロ程度には持ち直したかな。っつーか、率直なところこのシリーズは谷崎と中居の恋愛云々がない方がすっきりまとまるような気がしなくもないような。ファインダー越しの谷崎のカットにもズギューンと来るものがなかったし……。まあ、出会い編の話を読んだことがないので断言は出来ないですが。

『わがままキッチン』 門地かおり

[ お付き合い続行中の熊木&尚人だったが、尚人に「最後までしたい」と言われて……。 ]
 カラー付き。
 01年 7-8-9月号掲載『ままごとキッチン』の続編。
 えーと、予告では巻頭カラー前後編だったと記憶しているんだけど、それが何故カラー付きとはいえSpecial shortになってしまうのでしょうか。それはともかく、熊木はアナルセックスはあまり嗜まないゲイの人なのね。いや、実際そういう人の方が多いんだろうけど、挿入バリバリの話が多い中でポンとリアルな設定を出されると、一瞬脳内設定の切り替えにつまずいてしまいます。(腐ってますなー)
 次号も掲載予定有り(*2)

  • 『大ウソ八百八町F1日記』最終回。ラストの「今年は誰がくるかねえ」って台詞が気になるのですが、それってやっぱ、天国にってことですよねえ……?
  • 『腐った教師の方程式』 敦ってナッキーみたいだ……。(『生徒諸君!』って御存知?)
  • 『それを恋というのデス』すまん、勘どころを外してしまったみたいデス。何で「殴っても…いいよ」で(というかあの一連の流れで)夏田があんなに泣くのかよく判りませんでした。年かのう。
  • 『Punch drunk babies』終わったー。何だかよく判らんけど、とにかく終わったー。
  • 『お花とチョコレェト』面白かったですが、この後に二人が直面せざるを得ない尾崎の結婚話のことを思うと、これでハッピーエンドといえるのかどうかやや複雑。

 意外と面白かった一冊。意外というあたりが大失礼か。

 [目次一覧] [感想一覧]

*1: 6/14追記 予定変更につき、7月号には『最後のドアを閉めろ!』が掲載されました。
*2: 3/11追記 原稿落ちました。
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2002.02.24 (Sun)

『ボクたちの卒業』 国枝彩香

[ 卒業を目前にして同級生の松原に告白を目論む梅林だったが、松原の幼馴染み・竹芝にことごとく邪魔をされ……。 ]
 カラー付き。
 高校生もの。
 うーん、コメディなんだけど、ちょーーーっとばかし滑ってるかなー? あと、ちと説明過多な感じ。さすがに絵のレベルは高いんだけど、いまいち萌えられませんでした。しょぼん。ああ、表情豊かな梅林を見ているのは楽しかったですな。特に眉毛。

『Baby Love』 賀川あいの

[ 保健医の平田は意中の生徒・夏目から告白されたものの立場を考えて自制中。しかし急に夏目の様子がおかしくなって……。 ]
 保健医×高校生。
 平田は指を怪我した女子生徒に「あらあら、指入りケーキとか焼いてねぇだろうな〜〜」と返すようないい性格のお方で、減らず口系眼鏡萌えの私としては大変楽しく読ませていただきました。関係者全員の弱みを握っていると豪語する悪の化身のような一面もグッド(笑) 夏目もなかなか健気な性格で、お似合いな二人なんじゃないでしょうか。夏目が高校を卒業した後の二人も見てみたいかも。
 ただ、保健医が校内でぷかぷか煙草吸ってるのはどうかと。それと、お洋服を脱いだ後のカラダの方もデッサンよろしく〜。

『また会う日まで』 七瀬かい

[ 手紙で視聴覚室に呼び出された数学教師の向井は後ろから襲われてしまうが……。 ]
 高校生×教師とか、元同期×教師とか。
 無理矢理目のHから両想いになってしまう話が多い漫画家さんだけど、今回の話はそういう固定パターンではなく、どういう結末になるのか判らないところが面白かったです。言いたいことを遠慮なく言ってしまう向井の性格のせいもあって、会話にも勢いがあったし。ところで、室町が向井に「こいつ小悪魔!?」と思うシーンがあったけど、さすがに小悪魔というガラではないんじゃ……。悪党とかいろいろ他に形容の仕様もあるかと思うんですが。それとももしかして室町ビジョンではそういう風に見えているのかしら?

『ザ・青春』 猫田リコ

[ 高校生の新家はバイト先の店長・崎谷とセフレの当子が付き合っていると聞いて、急に崎谷に関心を持ち出し彼を犯してしまう。だが新家に対する崎谷の態度は変わらなくて……。 ]
 カラー付き。
 高校生×社会人。
 弾けまくっていた前作とはうって変わって、微妙な三角関係を淡々と描く。賑やかしでない女の子キャラが出てくるのもめずらしいかも。結局店長は一度は新家に投げ返したキーホルダーを拾っていたのでしょうか。泣かせますなあ。ラストはあっさり風味でちょっと物足りない気がしないでもなく。たとえ今限定のハッピーエンドだとしても、二人がラブラブなところを見て安心したかったですね。ベタな欲求だとは判っていますが。しかし、崎谷と新家がくっついてしまったら、当子の立場がないな……。
 ――で、素直でない登場人物がトリプルで、いかにも猫田節全開という感じの話でしたが、そろそろ違うパターンの作品にもチャレンジしてみてはどうでしょうか、と余計なことを呟いてみたり。

『ウソツキ』 CJ Michalski

[ SEX機能付きのアンドロイド・ケイに恋している雪也だったが……。 ]
 アンドロイド×人間。
 ラストの着地の見事さに6.0を進呈。いやマジでマジで。

  • 『こんな男に誰がした』“デンジャラス ボーイズ ラブ”というアオリに強烈な違和感が。ボーイズなのか彼ら。ところで紙幣ってコピーしても大丈夫なものだっけ?
  • 『今すぐ。ここです』受が社会人に見えないのですが……。
  • 『回想列車』回想列車というか改心列車というか。あの出会いからどう恋人同士に発展したのか描いて欲しかったなー。

 男性読者の声より。「(前略)Hの最中にいろんな大事なこととか、キーになる言葉を言ったりしてますが、それはちょっとエロ度を下げているような気がするのです。(後略)」
 スポーツ漫画では試合中に選手の人的成長が図られるが如く、ロボット系アニメでは戦闘の最中に禅問答が繰り広げられるが如く、ボーイズラブ漫画ではHの最中に愛情と存在についての討論会が展開されているのですよ。

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