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2001.09.02 (Sun)

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2001.09.08 (Sat)

『キャラメル・エスプレッソ』process3 鳥人ヒロミ

[ ますますアオ・アキ・シバの奇妙な関係に深く関わるハメになってしまった左右だったが……。 ]
 巻頭カラー。
 うっひょーというか、いっひょーというか、攻様だったのかアキ。いや驚いた。確かに本人の意向を無視して体格だの容貌だので相対的に受け攻めを決めてしまうのはまったく失礼な話ではありますな。という訳で、男だったら受けて勃て>左右
 しかし、アオは「アキは今マジで強くなってる。さっきロイホでお前に使った色目はオレよりアキの方が強かった」と言ってるけど、からかい混じりでその気にさせようとする(アオ)のと、ストレートに窮状を訴える(アキ)のとでは、おのずと視線にこめられる意志の力も異なってくるというものではあるまいか。一概に色目=眼力として強弱を比べられるものではないんじゃないかと思うけどな。でも名前の呼び方ひとつでたやすくアキと思われてしまうアオというのもやり切れない立場ですな。アキのふりをしてシバに抱かれようとしたのは、アキの抱える同性愛問題に一気に引導を渡すためか、それとも一種の復讐か。混乱を極めたまま、次号最終回。

『男はそれをガマンできない』 祇園あゆみ

[ 観光客としてやってきたアガルタのシャンバラ市で荷物全てを盗まれてしまったハヤト。今では、自分が同様の手口で帰国費用をためる毎日だったが……。 ]
 窃盗犯×カモ。無国籍風。(検索かけたら「シャンバラ:中央アジアの地下に存在すると伝えられるアガルタ王国の首都の名前」だそうですが)
 得てして若い頃の無茶は格好良く見えがちだけど、金を稼ぐにしてももっとまともな手段を考えようとはしなかったのかねえ、ハヤト君は。それに日本行きの航空券代ぐらいならそれまでの生活費を上乗せしても、一年もかからずに貯まるんじゃなかろうか。そもそも日本に連絡して送金してもらえばいいのでは。それとも家族はいないのか? それに地元で似たようなことやってるヤバげなグループとトラブルになったりしないのだろうか。何だか考え出すと謎ばかりの話だ。サトリとの恋愛にしても上手く行き過ぎで、読んでていまいち盛り上がらない。せめてハヤトが性的グラデーションのどのあたりに位置しているのか(ヘテロなのかゲイなのかバイなのか)ぐらいの情報は教えてほしいところ。

『ヒトカイノオキテ』中編 花吹雪桜子

[ 斉木に拉致されたアユは、水原の衝撃の過去を聞かされるが……。 ]
 少年娼婦シリーズ。
 うむむー。過去に売春をしていた水原。それに入れあげたあげく精神のバランスを崩して自殺したのが、宇佐見涼子の婚約者で事務所社長の息子だったと。斉木から過去の経緯を聞かされたアユはそれを受けて「水原さんは自分の罪を償うために芸能界に身売りした…」と言ってるけど、ボーイズラブもので“芸能界”で“身売り”というと、何つーかこう、“カラダでご接待”“きらびやかなステージ上とは裏腹なドロドロした闇の世界”みたいな欲望まみれなダークなイメージがあるけど、この話ではそういうノリはないざんすね。つーか、わしが汚れてんのか……。それにしたって馬車馬のように働かされることもなく結構いい暮らしをしてるようにお見受けしますがね>水原  でも自分の生き方について選択の自由を奪われているという点ではやはり償いになるのかなあ。しかしシリーズを通して、どのあたりがカリスマなのかよく判りません。もっと芸能活動シーンを増やして下され。

『PET』新連載 日輪早夜

[ 恋人のセイシンと一緒に暮らしているロウはある日、行き倒れていたPETを拾うが……。 ]
 カラー付き。
 新連載。一応近未来もの?
 ストレートな愛情表現をするロウと真っ赤になりつつ結構素直にベッドに横になっちゃうセイシン(メガネ君受け)の、駆け引きがなくラブラブな関係がいい感じ。で、お題のPETというのは「金持ちの性的嗜好の為創られた」もので「高価」な「生き物」らしいけど、詳しい正体は不明。生物であって、セクサロイドではないのですな。話の方はというと、うーん、相も変わらぬ文句たれなので言っちゃうと、ミステリ小説なんかで目前で殺人があったにも関わらず、いきなり推理合戦を始めてしまうような話があるけど、それに似たようなものを感じたなー。異常事態への対処が甘いというかあっさり受け入れ過ぎというか、そんじょそこらに転がってる代物ではないものを拾得したんだから、とりあえず警察に届けるとか、もうちょっとやることがあるんじゃないだろうか。ちと話が上っ滑りしてるような気がする。

『本当はね』 おぐらみき

[ バイクで事故った高校生の黒木憲二は一時的に記憶を失う。自分のことを思いだした後も、何故かクラスメイトの安西千尋のことだけ思い出せずにいたが……。 ]
 うーんうーんうーん。うーん。漫画は絵で表現するのが基本。憲二を失った直後の千尋の様子を言葉をつかわずに絵だけで表現しようとした姿勢は高く評価したい。が肝心の絵がアレなんで……。うーん。惜しい。

『3/4 スリークォーター』 やまがたさとみ

[ 流されるだけの毎日に不満を持ちながら、夢中になるものも見つけられずにいる高校生の山下。とある店先で一服つけていた青年の服のオレンジ色に目を奪われるが……。 ]
 漂泊のバイヤー×高校生。
 高校生ぐらいで人生の目標にぼうぼう燃えられることこそ珍しいのではないかと思うけど、どうしても今!と焦ってしまうのもまた若さというものか。未だ公に認知されているとは言い難い同性愛者の恋愛は、まず出会えることが特別で、だからとにかく巡り会えた相手と何かしらの繋がりを持たずにはいられなくて。「いつか好きな人とできたらいいのにな」と願う山下の気持ちが切ない。タイトルは山下の着ていた服から。「その四分の三丈もレディースだろうけどキレイにはけてるし」とケイタが褒めるシーンがあるのだけど、その台詞の前に山下が何履いてるか判るのって一コマしかないんですな。(ケイタの台詞に心当たりがなくて思わず探してしまった) そのあたりポイントに持ってくるなら大ゴマとかでもっとアピールしてもいいのでは。

  • 『我らの水はどこにある』二つの線が一つに纏まろうとしているこの緊迫した時に、なんて笑える引きなのだ……(笑)
  • 『今日のバカップル』意地を張ってる攻を誘うのに、パジャマ→股間に葉っぱ→バニーと展開するのだけど、露出度からするとバニー→ハダカと行くのがスジじゃないかと思ったものの、しかしフェチ的観点からすれば、やはりハダカ→バニーというのが正しいのかも、と考えを改めてみたり。
  • 『ロマンチストさん』同人誌から転載とか夏なのに冬の話とかヘタレた柱コメントとかいろいろ言いたいことはあるけれど、一番脱力なのはこのタイトルだ。もーちょっとなんとかならんかったのけ?

 ハッと目を引く表紙(新田祐克)が格好良い。が、ミラーグラスに映った鷹秋(なのか?)の下半身まで描いてしまうところが、作者のサービス満点というか過剰なところではないかと。

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2001.09.28 (Fri)

[感想]「最後のドアを閉めろ!」 山田ユギ

「最後のドアを閉めろ!」山田ユギ ビブロスビーボーイコミックス ISBN4-8352-1256-8 C9979 \562E

 雑誌発表時の感想→
 発売日に買いはぐれたらあちこちですっかり品切れになってしまって、重版かかるまで買えないのかと思った1冊。29ページの描きおろしつき。もう後書きどころか初出一覧にページを割く余裕もないほどぎゅうぎゅうに話が詰まっています。
 大波続きのラブ・トライアングルはやはり描きおろしにおいても明確な決着は出ませんでしたねー。永井は斉藤への感情をアイドルに対するのと似ている、みたいなことを言っているけど、そのアイドルちゃんがすぐそばにいて、しかも永井は何かと面倒をみてきた後援会会長みたいな立場だというのがねえ。更にアイドルが攻め。これじゃ、遠くの偶像を卒業して身近な実像と恋愛という定番路線に簡単に乗れないのも無理はなく。しかし肝心なところで本田の姿が脳裡をよぎる……というのだからもう気持ちは本田に向かっているのだろうなあ、多分。で、一応、本田×永井+斉藤というセンに落ち着きそうではあるんだけど、永井と本田の関係に気づきはじめ、かつ永井への気持ちを自覚しはじめた斉藤からの巻き返しもありそうだし、どちらさまにおかれましてもなかなか心休まらないようで。
 描きおろし部分で、結構本田が可愛く見えちゃったりするのは、永井の前で、本田自身外見を必要以上に取り繕う必要がなくなったからなのかな。今までだと割と対等もしくは年上に見えなくもなかったのだけど、今回おお、年下の顔だーと思うところが多かったように思います。とりあえず私は本田派なので、斉藤の嫉妬の視線にもめげず頑張ってほしいところ〜。

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