[ ふとしたことで置き薬セールスマンの相楽と関係を持った内科医の中間(なかま)。しかし中間には婚約者がいて……。 ]
巻頭カラー。
医者もの。セールスマン×内科医でシリアス。
過去に、親の介入で大切な時間を失ったことがある中間。諦めと閉塞感に満ちた生活の中で、もう一度大切だと思えそうな相手と出会えたものの、相手は同性で自分は婚約者がある身。いっそ秘密を暴かれることを望みながらも、自分に愛情を寄せてくる婚約者のことを無下に切り捨てることも出来なくて、この先、中間はちゃんと相楽との関係を守ってゆけるのかな。流されずに、たとえ傷ついて傷つけても何かを選べるようになることが、大人になるということなのかと思いましたなり。
相楽より中間の方が年上だとは思ってなかったもんで、終盤の回想シーンではちと混乱してしまったです。あうあう。少年時代の二人がどれほど互いを大事に思っていたのか、もう少し強めに打ち出していた方が切なさ倍増だったかも。しかし、そーか、昔は中間×相楽だったのかー。
[ 体育教師の榊竜一と生徒の賢治は、一年前に親の再婚によって兄弟になった仲だったが……。 ]
高校生×体育教師。
いつもながらのアレなんですが、榊センセイ、簡単にヤラれすぎです。必死にしがみついてくる賢治は可愛いし、気持ちが通じ合った後はいくらイチャイチャしてても構わんですが、全然そんな段階でもないのにどうしてそうあっさりとHに持ちこまれちゃうかなあ。
それと、先生の髪型が鬱陶しいことこの上なし。切るか結ぶかしてやりたくてたまりませんでした。(何か元ネタ有りですかー?とつい勘ぐってしまうですのことよ)
[ 双子の恵介と祐介。ある日、恵介は兄の祐介から同性愛者であることをカミングアウトされるが……。 ]
エッセイかと思っていたら、いきなり24ページの作品が載っていてびっくり。なんだってまたこんなところに。話は……ボーイズラブかと言われるとどんなもんでしょうかね。普通の雑誌だと十分異色作ということになるんだろうけど、ボーイズラブっつーのは男同士がヤッてて当たり前という世界だから、男×男関係があるのは基本的な前提条件でしかないのですね。それ以上に話が展開してくれないと。やおい読者としては、ちょっと肩透かし気味というか、「……で?」という感じでした。そいでもって、ボーイズラブっつーのは基本的に妄想によって成立している世界なので、今作『ハッピーなエンド』はエロシーンの多寡という問題でなく、やおいというにはちょっとモードが違うかなあ、という気がします。(一方で、現在のBL界のように、カミングアウトとか、志村作品には関係ないですがレイプとかトラウマなども含め、個人における重要な問題を手頃な題材として安っぽく消費してしまうのは、本当は大変にマズイことだとも思うんですが) まあともかく、次回掲載があるかは不明ですが、もし次があるならもっと妄想をたくましくして宜しくお願いします。
[ 平井朝斗は一人暮らしのマンションに、別れた女の子供の来襲を受ける。小学生のおもりにたまりかねた平井は家政婦紹介所に依頼するが、派遣されてきたのは若い男で……。 ]
カラー付き。
夜の世界の住人×昼の世界の住人。
橘花(たちばな)はエプロンはエプロンでも裸エプロンではなく、家事が趣味という家庭的なタイプ。けれど同性愛者の橘花には、彼の望む幸せは簡単に手に入るものではなくて、いつも孤独感を抱えていた橘花が「オレが欲しいのはそういうんじゃないですから…」と呟く横顔が切ない。平井がナイトクラブ経営からからレストラン経営に転身するのはこりゃまた随分極端だと思うけど、やっぱり世の中、某CMじゃないけど“愛だろ、愛っ”っすねッ。(……以前これを“受だろ受”と読み違えたのはヒミツだ)
あと、昔の女にすっかり利用されていた平井が、彼女が現在の夫をごく自然に「主人」と呼ぶことからもう子供の父親である平井に対しては未練の欠片も持ってないことを悟って“主人かー”と内心独りごちるシーンがトホホな感じにリアルでした。
[ 終電で眠りこけていた大洋は、彼を起こしてくれた宮城に一目惚れしてしまうが……。 ]
社会人もの。第9回麗人フレッシュ漫画大賞努力賞受賞後第1作(長い)。
何というか、わーっわーっという間に話が終わってしまいまして。大洋の気持ちが第三者に殆ど台詞で説明されてしまって、単に粗筋を聞かれさているだけみたいです。描写に至っていないというか。それならそれでフラれ男・一成のヤケ酒絡みの独り語りとかそれなりにアレンジしてほしいものですがねー。一成といえば、途中、“恋のキューピッド”なんて描かれている箇所もありましたが、大洋の恋路が上手くいったとはいえ、プライバシーに関すること(「俺達男と付き合う人種なの」)をベラベラ勝手にしゃべくる様子はとても好感が持てるものではありませんでした。
[ 家庭教師の佑也が優等生の兄・亮に片想いしていることに気づいた純はそれにつけこんで強引に佑也と関係を持つが……。 ]
カラー付き。
高校生×大学生。
悪ぶっているようで子供っぽい純や、儚いような妖しいような佑也の表情など、絵・ストーリー共にバッチグーです。殊に佑也の人物造形が出色。この人、ひとつ化けると物凄い悪党になりそうな……。それはともかくドリーム度数が低い分、二人のこの先が思いやられるのだけど、大丈夫かしらん。それにしてもホント、純君ヒゲは剃りたまい。に、似合わねー。
[ 元ホストで現・土建業の菱谷忍はホスト時代の後輩・安芸純佑とラブな仲。しかしつい建築家の牧と浮気してしまい……。 ]
巻頭カラー。
6月号の続編。こちらは忍サイドのお話。
牧と浮気をしてしまったものの、それはHな出来心や仕事柄オンナの香水をまつわりつかせて帰宅する純佑へのあてつけというよりも、むしろ自分自身の問題というか、自分でも抑制が利かない純佑への気持ちからの逃避という面が強くて。ラスト近く、純佑にそのことを言い当てられた忍は、ついに本心を吐き出してしまうハメになるのですが、いやホント、思いもしなかった自分の姿を見せつけられる、「恋」とは取り扱いが厄介な実に危険な代物なのでありました。しかし、忍の要求を聞くとなると純佑は転職しないとならんですなー。そもそも忍が純佑をホスト業界に引っ張り込んだのだが……。
[ ストーカーに襲われた律也が気づくとそこは壁一面が律也の写真やポスターで埋めつくされた部屋だった。そして中に入ってきたのはマネージャーの高田で……。 ]
うーぬぬぬ。結局のところ高田のやってることと西鷹のやってることって大して変わりないんじゃないかという気が。ただ律也の気がどちらにあるかというだけで。(まあその差が大きい訳ですが) 律也が西鷹を好きになったのも「お約束」以外のなにものでもないという感じで、いまいち読む側の共感を引き出すには至らなかったかな、というのが率直な感想でございます。つーか、芝居がかっているというか何につけ大仰なんですなー。時に、クサイ熱い台詞や表情が感動のツボよりも笑いのツボを刺激してくれそうになるのが……。いっそ、自然派とは訣別して様式美を極めるという手も有りですが。でもモノローグでの説明癖が消滅したようなのは何より。あと、男女の描き分けをしっかり頼みまする。
[ 国際線乗務にも慣れてきた麻生だったが、矢崎と日野原がセックスフレンドだと知って……。 ]
「おまえのモノになってやるから」とあくまで強気な日野原に、今後も麻生は苦労させられそうだけどとりあえず落ち着くところに落ち着いて一件落着。まさに目は口ほどにものを言う、というべきでしょうか。
ただねえ麻生君よ、急な仕事の打ち合わせが入って、それまでのHで甘々だった態度から一瞬で仕事向きの顔に変わった日野原に“僕はその程度の存在なんだ”なんつって落ち込んでいたけど、乗員乗客の生命を預かる機長ともなれば飛行ルートで問題があったりしたらまず仕事を優先するのはごく当たり前のことじゃあないのかね? 同じ天秤にかけるのがそもそも間違ってると思うぞ。
[ 海棠グループの跡取り息子・伊月は新しい主治医である高樹行平の表情を崩してやるべく色仕掛けを試みるが……。 ]
カラー付き。
若い主治医×坊ちゃん(大学生)。
冒頭から、パンツ一丁になりーのキスマークを見せびらかしーの抱きつきーのしまくりの伊月に、違う意味でおつむのネジが2、3本飛びました。……バカ?>伊月
後編もどのくらいアホタレぶりを見せてくれるか楽しみに待ちたいと思います。
[ 刑事課に戻ってきたトラを一人の老人が訪ねてくるが、何とそれは相楽管理官の父親で……。 ]
56頁もある割りに読後感が軽いのは何故なのでしょうか……。流れるように話は進むので読みやすいことは読みやすいのですが、暴行事件とトラ関係のドタバタと相楽管理官周りと、等分に比重が置かれているので、話の焦点がぼやけてしまって結局何がいいたいのかよく判らんという感じです。捜査らしい捜査もせずに犯人は捕まってしまうし、別に刑事物である必要はないのでは?と思ってしまいました。
[ ミトウの罠にかかったキリ達だったが……。 ]
これでもかというくらいラブラブです>キリとトナミ 何だかんだ言ってキリも人間が丸くなったような。ところで遺伝子を採取するなら、別にぶっ殺さなくても目的は達成できると思うんですがのう。もう話し合いでどうにかできる段階はとうに過ぎてるってことですか。で、世界の秘密も明かされてどういう結末が待っているのでしょうか。次号最終回。
[ 勢いで金持ちぼんぼん高校に入学したものの浮きまくりな庶民の明日田。殊に隣の席の久留米とはウマが合わなくて……。 ]
カラー付き(2C)。
ビンボー×金持ち。高校生もの。
えーと。体育の授業にクルージングがあるって、しかも学園のプライベートビーチだなんて、一体どういう学校なんでしょうか。何だか『巨人の星』の花形満を彷彿とさせる皆様です。(花形が高校生なのにスポーツカーを平気で乗り回していたのは、付近一帯が花形家所有の土地だったからなのではないかという) その上、クルーザーの故障で無人島に漂着してしまうなんつー、いきなりな展開。読んでいてカクンと顎が落ちそうです。後編は一体どんなキテレツな出来事が待ち受けているのでしょうか。
[ 五十嵐への恋心を自覚した浅野だが、本当の自分を偽っていることが気になって……。 ]
何だかすっかり最後は生徒と教師の立場が逆転してしまったような五十嵐と浅野先生ですが、めでたく気持ちが通じてハッピーエンド。前作『ふらちなチェリーボイス』はキャラクターのギクシャクさ加減がかなり気になった話でしたが、今回は気持ちの描写もなかなか丁寧で良かったのではないでしょうか。「先生はかわいくってキレイでキレイだから」という五十嵐の混乱ぶりが微笑ましいです。一方、園田先生に見せた五十嵐のダークな側面もなかなかナイス。ホラー漫画もいけるかも(笑)
[ 戦場で秋月の姿を見つけた草加だったが、秋月は左足を失っていた。懸命に助けようとする草加だったが……。 ]
前後編のはずが前中後編に延長。
所詮はエゴだよなー、草加が秋月を側に置きたいと思うのは。愛の名の下に人は残酷なことも出来るものであります。果たしてこの話がどのような決着を見せるのか、後編を待つ。
ちゃんと仕事しろ!と言いたくなる登場人物が多かったですなー。
それと、原作出版社が違うドラマ(「西洋骨董洋菓子店」)の宣伝を載せてあげるビブロスは心が広いなー……と思いました。尤も見出しは本誌で活躍中のよしながふみ先生のマンガがドラマになりました!でしたがね。余計なお世話?
[ 今回の陣内の相手はオーナー自らの依頼だというスペシャルVIP・某国の第六王子だったが……。 ]
巻頭カラー。
オーナーが将吾の頃の話。陣×紫の瞳の皇子さま。
お忍びの客=訳ありと相場は決まっているが、そんな相手でも「『備えあればうれいなし』です」としか言われていないのに、早速用意された器具を使ってしまうところがさすが陣。そんな仕事熱心な男とは裏腹に話そのものは早くも切なさモード大爆発ですが(皇子の片想いの相手、ファイが皇子の部屋を訪ねた時に実はタイ焼き持参だったというのも泣かせどころ)、まあ、皇子さまの初恋については「初恋は実らないもの」とこちらも相場が決まっているので、思い出は美しいまま胸に秘めておくのがいいんじゃないでしょうか。というか、あんなに覇気がないのでは実るものも実らないという気が。世間知らずそうな皇子が一体どうやって将吾に繋ぎを取ったのか、かなり謎です。主人思いの爺やでもいるのか……?
[ 姉の夫・森人と結ばれた水樹だったが、自分に向けられる森人の愛情に何故か不安感がつのってきて……。 ]
カラー付き。
むーん、迷いの晴れた水樹の表情は清々しくてとりあえずハッピーエンドだけど、水樹と森人の気持ちって本当にかみ合っているんだろうか。ちょっと疑問が残る展開だったです。水樹も相当ひとりでぐるぐる回っていたけど、森人の想いもかなり一方的なもののように思えたけどな。最初のHシーンはともかく、あまり気持ちが通じ合っているという気がしない二人でした。
それと、絵柄といってしまえばそれまでだけど、キャラクターの口が小さいのが気になるというか。何か抑圧されているのかしらん、とつい余計なことを勘ぐってしまいます。言いたいことがあったらデカい口開けて叫べばいいのになー。(漫画なんだし)
[ 叔父に攫われた暁はクルーザーで海上に連れ出されてしまうが……。 ]
このシリーズは00年2月号、4月号〜5月号、9月号〜10月号、01年11月号、と過去に掲載されたものは一通り目を通しているものの、未だ登場人物の心情が掴めずにいるので、結構読むのがツライものがあります。そもそも何で怜があれほど暁と一緒にいたがるのか、暁も怜のそばにいたがるのか、からしてその理由がよく判ってないので、話に入り込めないのも当然というか。今回もいろいろと奮闘している登場人物達をよそに、ロンリーな気分を満喫しておりました。ちゅーか、誘拐された訳でもあるまいしそんなに必死こいて追跡せんでもいーじゃん?と半ば呆然としてしまったのですが。ある意味、先が読めない漫画の一つです。むう。
あと、諦めずに熱意を見せることも勿論重要ですが、最終的には如何に確実に身柄を押さえられるかなので、あの叔父さまはあまり策謀家ではないのだなー、とこっそり思ったっす。
[ 鏡の中に引き込まれてしまったことり。そうとは知らないクラスメイト達は行方不明のことりを探し始めるが……。 ]
わらわら登場人物が増殖し始めるわ、謎の人物(木野さんこと紀趣風)はナルちゃんだわ、何やら面妖な展開となっておりますが、このオチはどのようにつくのでしょうか。次回最終回。
[ ショットバーで知り合った春樹と付き合っている煌司だったが……。 ]
青年×青年。
元・但馬組組長の孫だという春樹の自信過剰かつ豪快な態度がなかなかいい感じです。何やら煌司には春樹と恋に落ちてはいけない裏事情があるようで。どうも今回の話は、描きおろしコミックス「誘う男」(12/10発売)に関連したものらしいのですが、煌司の抱えている事情がさっぱり明かされないので雑誌のみの読者にはやや不親切な作りになってます。読者の気を引きたいのは判るけど、もうちょっとサービスしてください。キャラはいいんだけどなー。……ただ、冒頭のHシーンで、受がうつ伏せで両肘をベッドについてるのに、次のコマでは攻が受の足を肩に担いでいるというのは、体勢的に無理があるんじゃないかと。
[ シンと城のクリスマス風景は……。 ]
『もしも ぼくが きれいなら』番外ショートは、スイートクリスマス企画で8頁。
半泣きのシンの困り顔健在。でもそれは自分の感情をごまかすためじゃなくて、他人の気持ちを気遣ったせいで。さらりと嘘がつけないシンだけど、城のフォローもあって、二人の恋はなかなか上手くいっているようです。
[ 体当たり的に想いを寄せてくる生徒の隆を牽制しつつも、隆に対する気持ちを押し止められない若菜だったが……。
]
01年3月号掲載『一途なの』続編。教師×高校生で今回は教師側の話。
無邪気なまでに若菜にすり寄ってくる隆に比べて、若菜の方は立場上、教師と生徒だの、大人と子供だの、見えざるハードルが高い訳だけど、何だかんだ煩悶しながら、降り出した雨から隆をかばったり、後ろから隆を抱きしめたり、「思わず」という若菜の一瞬の挙動が印象的です。で、“なんちゅー数のコンドームだ…っっ”って一体何個ご使用に至ったんですか……? (この場合、我を忘れてもコンドーム装着は忘れなかった若菜を褒めるべき……?)
うーん、2002年もマガビーを買い続けるか、微妙なところです。