[ 雅美のマンションを訪れた敦は、雅美から積極的にキスをされるが……。 ]
巻頭カラー。
フィナーレに相応しく、これまでに登場してきた人物の“その後”が判ったりして、ベテランらしい手抜かりのない締め方でした。まずは9年間ご苦労様でした、……と。
ああでもしかし、やっぱり敦×雅美なのかー。どうも敦の性格に馴染めなかったので、精神的に敦が優勢のままでも、雅美×敦を希望していたのですが。が、まあくっついてしまったものは仕方がない。末永くお幸せにー。
コミックス10巻、6/10発売。
[ 不注意からラウルと二人きりで蔵に閉じこめられてしまった暁だが……。 ]
今までいまいち暁にも怜にも感情移入ができなくて読みづらさを感じていたんだけど、ここにきてようやく気持ちの判るキャラが、と思ったらラウルでした……。(ラウルが好きっvというより、バカな子ほど可愛いという気分ですが) とりあえず、ラウルには一刻も早く「あなたが一番」という相手が出現してくれるようにお星さまにお祈りしておきませう。
……で。怜と上総の過去の経緯が判れば、何であんなに怜が暁に固執するのかその理由も判るかと思ってたんだけど、本当に怜にとって上総はよく構ってくれた大人というだけらしく、そういう意味では肩透かしな後編でした。
しっかし、怜は暁に「俺の気持ちを信じてないんだから」とか散々言ってますが、そういう怜も暁のことを全然信じてないじゃーん、と思うのですが。息が合っているのか合っていないのかよく判らんお二人でございますのう。若いってこんなもんかしらん。
6/3発売のJUNK!BOYにて、シグレ&奥宮の番外編を掲載予定。
[ 山奥で吸血鬼と人間のハーフであるキラと一緒に暮らす童話作家のカンだったが……。 ]
1月号の続編。16頁。
これといった起承転結はない話だけど、ここぞという時に差し挟まれる劇画調なタッチや少女漫画風になるキャラクターなど、表現が工夫されているので読んでいて飽きない。地の絵も上手いしね。
ところで、前回にも思ったんだけど、キラと初めて会った時、カンちゃんはあれだけの大怪我をしていて、どうやって助かったのだろう……。
[ 高校では生徒会長を務める有馬舜は、兄の代理を求められる現実から逃れる為に、時折夜の街を彷徨い歩いていたが……。 ]
謎のモデル×生徒会長。
「黒髪の優等生と金髪のハーフです。もう散々やってきたパターンだけど、懲りずにまたやります」という作者の言葉がすべてのような。学校で思わぬ再会……!というのも前に見た展開だしなあ。冒頭のサバト云々の場面も作者の中では必然性があるのかもしれないけど、描写が平板なのであまり非日常感が得られなかった感じ。とりあえず、主人公が言っていた兄がどーしたこーしたという事情が明かされるだろう後編待ちというところ。
[ 同性愛者が集まる店で出会った森尾豪紹と久遠奏。森尾は一目で久遠に惹かれるが……。 ]
世話焼き大学生×クールな社会人。
心理描写が細やかで、森尾が今どんな関係を求めているかとか、久遠が何故森尾の手を振り払うのかとかが、説明くさくならずに描かれているのがいい感じです。あと絵柄の線が細いというか、少女漫画的なんですが、キャラの中身はきっちり男性なのが(少なくとも女性で代替えがきくような人物造形ではないのが)更にいい感じです。
出会いのタイミングが悪かった森尾と久遠だけど、多分久遠も森尾のお節介は相手との優劣をはかる手段ではなく、単に腰が軽いだけというのは判っていると思うので、後は時の流れが解決する問題じゃないかと。なかなかいい間柄になるんじゃないでしょうかねー。
[ キスしたことを詫び部屋を出ていこうとする飛島に真野は……。 ]
自分の気持ちを知っているくせに無邪気に接してくる真野に傷つく飛島。一方、友人だと思っていた飛島が不意に見せる男の顔の戸惑う真野。蛇の生殺し状態にある飛島が「友達 残酷な言葉だ」と言う気持ちはよーく判るんだけど、でもいきなりそんなことを言い出すのはフェアじゃないという気もする。しかしながら真野が迂闊過ぎるというのもまた確かなことで、相手が立ち位置を変えてきたら、不本意でもこちらもそれに応じて態度を変えなきゃいかんでしょーが。どっちにしろ以前と同じ友達のままという訳にはいかないのだから、一度別居して互いの関係を見つめ直すことを推奨。
[ 麻薬の横取りを請け負うゴウとタキは、SWEET・DEATHというセックスドラッグとそれを持ち逃げした少年・ユキヤを探すが……。 ]
カラー付き。
3月号の続編。
「いざって時に勃たなくなんのはお前の方じゃねーの?」とはタキの台詞。さすが相棒だけあって鋭いところを突いてきます。なんだかんだ言って気持ちのイエローラインに触れそうで触れないゴウとタキの関係は、この先どうなっていくんでしょうかねー? このままトラブルバスターズ的にシリーズを続けていくことも十分可能ですが。……ゴウがヤらせろと迫るからタキが反発するのであって、抱いてくれと頼めば案外上手くいったりして。
それと、ミッキー&一矢の昔から、コンビものの見せ場で、両方を立てようとして微妙にクサい演出にはまりがちな作者ですが、それもまた持ち味というものでしょうか。
購読雑誌……花音、麗人
面白かった作品……どらきら、胡桃の中、君は淋しがりやの花、CARAMEL DEVILS
つまらなかった作品……吠える!有頂天BO-ZE、禁断
読まなかった作品……なし
燃えた台詞・場面……「スーツ姿、色っぽいな。久遠」(君は淋しがりやの花)
ゲームへの興味……なし
MBBを買ったのは……毎号買っている
以上、アンケートに答えてみました。
「奪う男」西田東 竹書房BAMBOO COMICS REIJINselection ISBN4-8124-5639-8 C9979 \562E
読み切りを含む8編収録。短編集。
雑誌発表時の感想→奪う男、YOU GIVE、課長になったら、総務にひとこと、LIVE & LET…
待ってましたの初コミックス。第4回麗人フレッシュ漫画大賞努力賞受賞作として『LOOK LIKE』が掲載された時から目をつけておったですよ。デビューから4年たってようやく刊行されたコミックスは何故かドドンとオレンジペースの表紙だったりして、何だか青年誌系の漫画みたいです。(これで間違えて買ってしまう御仁もおられるのだろーか)
肝心の中身はというと……、あー、今まで書いた感想を読み返したら褒め言葉ばかりで我ながらちょっとキモチワルくなってきてしまいました……。何せ、雑誌掲載時は、麗人にしか描いてないわ寡作だわ知名度は低いわで、布教意識がボウボウと燃えさかっているのでありまして純度の高い褒め感想になっている訳です。それらをまとめて読むとお腹いっぱーいな感じになってしまうのは当たり前というか……、あー、何卒ご寛恕願いたく。
で、更なる大絶賛大会を開くのも可能なのですが、あまりにも未読の方の期待値を上げてしまって、期待して読む→思ってた程じゃない→ツマラナイ漫画、となってしまうのは最も恐れることですので、具体的な内容については各自お確かめ下さい。(感想サイトの言い草か)
でもまあ、
……な方にはオススメですわん。
雑誌と違って、余計な文字が入らない表紙ページを見られて嬉しー。あと帯下の男同士のラブシーンを見てビックリしているおじさんがお茶目です。
[ 女性に裏切られ騙された高校教師・若菜は路上で酔いつぶれていたところを通りすがりの男に介抱されるが……。 ]
巻頭カラー。
濃ゆい容貌の卒業生×教師。
出会い→H(8頁)→再会→恋に目覚める若菜→その後の二人、とかなりストレートな話作り。H度が高く読みやすい反面、あっけなく読み終わってしまい物足りなさも感じる1作。何でコレで若菜ってば恋に落ちるかなー?というお馴染みの疑問付き。
うーん、ボーイズラブのスタンダードといえばそうなのかもしれないけど、もう少しどこかにヒネリを加えてくれないと、ちょっと印象に残らないざます。
ただ、最後の頁で自宅採点をしている若菜の何気ない日常性は物凄いものがありますが。(むしろ、この日常性の方にときめいちゃったりして)
[ 家出し一人暮らしをしている郡山は、ある日家の中に侵入していた男に、男の母親の話し相手をしろと強引に連れ出されるが……。 ]
結果的に年下攻め。
作者得意の素直でない態度の表れか、単にキャラの性格の悪さかは定かでないが、居丈高な笑太の振る舞いがかなーり嫌な感じです。突飛な展開も奇天烈なキャラクターの言動も、後で「あれはそういうことだったのか」と腑に落ちれば初めの唐突さも随分とカバーされるのですが、納得できるフォローがないので、ううーん?と首を30°傾げたまま読み終わってしまいました。多分感動場面なはずの、“何故二人はオレを「家族」として受け入れたんだろう 何故オレを頼って来たんだろう”云々かんぬんという郡山の述懐に、「そんなん知るか」と思ってしまった私を、神よ、どうかお許しください――。
[ アパート住まいの大学生・野口は、隣人で同じく大学生の高津が飼育している蛇に大迷惑しつつも、嗜好のツボをついたお詫びの品に騙されて何度も高津を許してきたのだったが……。 ]
カラー付き。
珍獣マニアのコスプレH。
うーん、イロモノ。そしてやはり基本は「強引」なのでしょうか……。個人的にあまり攻めが強引なのって得意じゃないんですが。まあ、時にはその強引さを楽しみたい時があるのも確かなんですが(<オイ)、かなりの割合で受けが強引なHをなし崩しに受け入れてしまうのが何ともかんとも。結局キモチ良ければ何でもオッケーなのか? ついでにあともう一つ苦手なパターンをゲロしてしまうと、今回高津が言っている「初めてでこんなに濡らして… 悪い子だなァ〜〜」的な台詞がどうもダメで。言葉責めの効用は否定しませんが、受けに責任転嫁するなや。っつーか、受けがインランみたいに言ってるけど、てめーがいじってるからだろボケ、それとも、チミはそんなに自分のテクやブツに自信がナイのか? ああ?と攻め君を問いつめたくなってしまうのでした。
斯様に苦手なHシーンが続くのですが、しかし自分が高津にされていることを日頃抜きネタにしているメイド娘に重ねてイッてしまう野口、という場面は倒錯的でよさげです。あと、ラスト、野口と高津、互いが互いを珍獣と思っているところも気が利いていてグッド。何だかんだいって反感を覚えつつも一概に「嫌い」とも言えない話……って、最終的には丸め込まれてしまうあたり、多くの受けと同じだなぁ、とつい受けの心境に思いを馳せてしまうのでした。
[ 社内恋愛中の中島と浦田だったが、外部コンサルタントの小林がいろいろとちょっかいをかけてきて……。 ]
リーマンもの。
海千山千のクセ者・小林次長が、システムのビジュアル系・浦田に迫ると見せかけて実は中島室長狙いなのがミソ。これだけ積極的に絡んでくる第三者キャラクターというのは西田漫画では珍しいかも。
共犯者にしてしまおうとする小林を拒む中島とか(そしてその後会議にはきっちり出席。エライ)、浦田の泣き顔とか、見所も多いんだけど、やや場面場面の繋ぎの悪い箇所があったのが惜しまれる。小林が中島をトイレの個室に引っ張り込んだシーンとかね、最初は小林の言葉に怒った中島が相手の腕を掴んだのかと思いましたなり。ジャパニーズ・ビジネスマンのスーツ姿における没個性ぶりは周知の通りですが、顔が見えない場面で似たような柄のトーンを張るのは混乱の元だと愚考いたしますです。
更に欲を言えば、中島はプライベートでは浦田のことをヒロと呼んでいるらしんだけど、いちゃいちゃシーンでそう呼んでいるところを見てみたかったなー。んでも、浦田もどういう風にあのおカタそうな中島室長をオトしたんでしょうねえ。過去編を激しく希望。
……小さなコマに描かれている浦田を見て、シュール君(ウゴウゴルーガ)を思いだしたのはヒミツです。
現在、初コミックス発売中。しかし現在の掲載ペースでは次のコミックスが刊行されるのは一体何年後になることやら……。
[ 大宮寺家に住み込みで働いている安藤一家。父親に言われ、安藤円は、事故で片腕を失った跡取り・大宮寺歩の側について彼を元気づけようとするが……。 ]
隻腕の大財閥跡継×使用人。
うーんうーんうーん。タイトルはなかなか扇情的で宜しい感じですが、うーん、小さい子供の頃ならともかく、高校生にもなって「甘いもの」欲しさだけでセックスに応じるかどうか、普通考えるまでもなく判ると思うのだが。お坊っちゃまの思考はよく判りませんのう。こんな世間知らずのヒトが家を離れて大丈夫なんだろか。
4/27にコミックス発売。
竹書房もいろいろ雑誌出してるんですねー。