[ カルロが岩城と香藤に用意した物というのは何と結婚式の準備で……。 ]
春を抱いていた・20。『カジノ・リリィ』とのコラボネタ後編。
巻頭カラーで結婚式という山場はあるものの、二人が自ら思い立って決めたことではないので、盛り上がりが低調な気が。今回は、岩城&香藤はラブラブ安定カップルであるが故に、トラブル要因有りカップルのカルロ&マギラの受けに回ってしまった感じかな。それはそれで有りなんだろうけど、「春抱き」として読むからにはもちょっと岩城&香藤が前面に出てほしいのですが。
あと、結婚式を終えた二人に向けた「これで君達は名実ともに夫婦だ」というカルロの台詞にいまいちピンとこないのは、私がキリスト教圏の人間じゃないからかなー。(それを言うなら、キリスト教徒ではない二人の「神の前での誓い」もどの程度制約性があるのか?という話になってしまいますが……。)
そーれーにーしーてーもー。ガッつぎすぎな香藤も香藤ですが、岩城がイッた後の“ギュ…”って、何かすげーところに効果音が描いてあるような気がするんですが、目の錯覚でしょうか。……で、岩城×香藤な場面は? そっちのが見たかったのにー。
[ 他国の傭兵訓練所にいたアラン王国第三王子クリステンは、王が毒を盛られたとの報を受け、迎えにきた親衛隊及び訓練所で出逢ったジークと共に急ぎ国に戻ろうとするが、途中の森で何者かの襲撃に遭い……。 ]
b-BOY Zips30(王子さま特集)掲載『黒の騎士』続編。平民×王子。
王子一行(総勢7名)が、ビジュアルいろいろ、しかしいずれも若くて格好良い青年、おまけに誰もが捨て駒っぽくない印象、だもんで、いささかボーイズラブゲームチックやのう、などと思ってしまいました。失礼。
いきなり大人数が登場してきて、しかも敵も味方も同じように描写をされると誰がどの陣営なのか区別がつきにくいです。読んでいてたびたび混乱してしまったので、襲撃をかけてきた一団はあくまで謎の者どもとして描くか、マント以外にも特徴をつけてほしいっす。
話の方は思いっ切り、「……つづく」状態で終わってるんですが、勿論当然続きがあるんですよね? つーか、無かったら暴れる……。
[ ハメられて会社をクビになった匠は元秘書・鴨志田の手配したアパートに住むことになるが……。 ]
カラー付き。
うーぬぬぬ。
オヤジエッセイ「オヤジ回廊へようこそ」番外編である以上、オヤジネタのはずなんですが、これでは、オヤジ受けというより、下克上(鴨志田×匠)か、年下攻め(蓮司×匠)という方が相応しいのでは。何より、匠ってオヤジじゃないと思うんですが。あれはオヤジというより、ただの年くったボンボンなんじゃ……。
[ 麻薬データ奪取の現場に突然現れた樹華。作戦変更を余儀なくされるJ・B達だが……。 ]
オヤジ(ヒゲ胸毛付き)×金髪青年。
派手な仕掛け物は設定やアクションにページを取られがちですが、活劇部分は多少手早くまとめた感はあるものの、作戦はちゃんと終了させ、キメるところは決め、J・Bとロイの精神的&肉体的な絆もきっちり織り込み……という手際の良さは、やはり何だかんだいってキャリアが成せる業というところでしょうか。J・Bの上で仰け反るロイがいろっぺーですわん。
しかしJ・B、ロケット砲まで持ち出すなんて、あーた、そんな大人げない……(笑)
[ 隣人兼担任教師の徳山と付き合っている杉浦雅樹だが、最近あまり構ってくれない徳山に不満がたまり気味で……。 ]
教師×高校生。
構ってほしいのに素直に言えなかったり拗ねてしまったりする雅樹はまだまだ小犬のようです。
ところで、雅樹とのラブラブタイムをカップ麺完成で打ち切った徳山先生にしつもーん。それ以前にカップ麺が描かれている場面を探してゆくと、雅樹が理科準備室に駆け込んできた時まで遡ってしまうのですが、よ、よもやあれやこれやの所要時間がたった3分ってことはないですよねー?
[ 関係を戻した佐伯と喜瀬川だったが、数年たっても二人の間にはギクシャクしたものが残っていて……。 ]
01年6月号掲載『成層圏の灯 幾千の言葉より』の続き。
一年ぶりにしてシリーズ最終話、60頁長編読み切り「HOLY LIGHT」は、蓋を開けてみたら、思いっ切りダイジェスト版でした……。ガビーン。まあ多分本当はもっと長い話だと思うんで仕方ないんでしょうが。コミックスで大量加筆があるそうなんで、せめてそれを楽しみに待ちましょう。(思えばコミックス『年上のひと 成層圏の灯』もそうだったような……。商業誌で描ききれなかった分を同人誌「境目のない季節」で補完してコミックス収録時にはそれらをまとめたという。)
いやー、しかしホントに最後の最後でどんでん返しのアンハッピーエンドか!?と焦りましたわ。聖さんの執念ももの凄いものがありますのう。
7/10にコミックス『幾千の言葉より 成層圏の灯』発売予定。
「春抱き」のHシーンで、ごく小さい白丸がありましたけど、あんなんで消しになるんでしょうか。
[ 幼馴染みで大親友の長谷川守と共に男子高に進学し、寮生活を始めた里見志乃。だが、寮も学校も妖しい雰囲気に満ち溢れており、果ては隣の部屋から喘ぎ声まで聞こえてきて……。 ]
巻頭カラー。
高校生で幼馴染みもの。
学園上層部から在校生、新入生に至るまで、右を向いても左を向いてもホモだらけ、という最初からはっきり“つくりもの”と判っている学園ものなんだけど、なかなか楽しく読了。陰に日向に美少年の志乃をガードしようとする守のオーバーアクションが笑えます。
実際のところ、恋人を擬装したところでそれがどの程度周囲への牽制になるのかは謎ですが、しかし守としては、長年見守ってきた志乃を脇から攫われる訳にはいきませんわなあ。そーれーにー、「ひょうたんから駒」とか「嘘から出た誠」とかいう諺もあることだしねえ(ニヤリ)。
という訳で守君にエールを送りつつ、次号を楽しみにしたいと思います。これでもうちょっと描き慣れてくれれば嬉しいんだけどなー。
[ 一目惚れした相手とそのままホテルに直行したものの、翌朝、相手の姿はどこにもなくて呆然とする秋川螢(けい)だったが……。 ]
高校生×社会人。
表紙を見て、てっきりベタ頭×白頭だと思いこんでページをめくったら、まったく逆のシーンが展開されていたのでちっと驚きました。
終盤、結局カラダの相性で新堂を黙らせるような箇所が気になりますが、全体的に、螢の直球ぶりと新堂のひねくれぶりが対称的でいい感じです。でもやっぱり、新堂の昔話を聞いた後の、自信たっぷりな螢は生意気だと思うざます。それが新堂を絶句させつつも過去のトラウマを乗り越えるきっかけになったとは判るものの、なんかこう思わず殴りたくなるようなそんな顔で。……ああ、若さって無敵。早く、名前で呼んでもらえるようになるといいねー。
[ 高3になった緋室優と最上享二は、自分の進路について思いを巡らせる。そんな時、優のイトコ・カオルがやってくるが……。 ]
00年9月号『やんなっちゃうくらい愛してる』、12月号『やんなっちゃうくらい抱きしめて』、01年9月号『やんなっちゃうくらいそばにいて』、11月号『やんなっちゃうくらいそばにいて』と続いているシリーズ。
幼馴染みもので、除霊師ものでもある……んだけど、今回は霊関係は無さげかな。その代わり、大変不愉快なイトコが二人の間に割って入ろうとしているので、それをどう排除するかが見せ場かも。なんちて。
でも、カオル曰く「享君の方はいいとしても受け入れる優の方は大変だもの」だそーですが、どっちがどっちに入れるかとか、あまりに断定口調なもので、余計なことながら、いつそういう風に決定されたのかなー? ヤッてもいないのに、他人に判るんかい、そんなこと、とついついムカッ腹を立ててしまいました。そもそも絶対挿入すべきものと決まったものでもないと思うんですが。ま、優は優で酔っぱらった享二に押し倒されて“ああっ とうとう犯されるんだァ!!”なんて嬉しい悲鳴を上げているから、どっこいどっこいですが。
ところで掲載ページ短いです。(16頁) 続きは8月号。
[ 転校生として再び目の前に現れたカインに狼狽する舜だったが……。 ]
カラー付き。
うーん、ビブロス以外のあさぎり作品は読んでいないんだけど、自分を抑圧するものから解放されることを無意識のうちに願う主人公(受)、という話が多いような気がしてきました。で、攻が半ば力ずく(セックスずくで)で受を解放してやるんだけど、それで受が精神的に自由になったかというと必ずしもそうではなくて、むしろ愛情という新しい呪縛を得て、今まで悩んでいたものを悩んでいる余裕がなくなった、というか。何つーかJUNE的ですな。
それでもって、本作主人公の舜は、カインに視姦される幻覚を見てしまうわ、カインの来日目的を早合点するわ(日本語を話す恋人がいた、とは言っているが現在進行形だとは言っていない)、かなり回り気味です。前後編が終わったものの、何故か続きは11月号。
[ とある女性から持ちかけられた絵画売買の話が、実は先代に恨みを持つ難波画廊オーナーによって仕組まれた罠だと気づいた谷崎だが……。 ]
むーん。中居に内情を知られたくないなら、尚更中居に疑問を持たれないように八島のじーさんに引き合わせる前に上手く説明しておく必要があったんじゃないだろうか。詰めが甘いのでは。というか、何だかんだいって谷崎も自分のしていることに迷いがあるのかな。いろいろ悩むところもあるようだし。そういう点では、中居がもう一歩踏み込んで、谷崎と共犯関係になろうとする場面が一番の読みどころでしょうか。どういう経緯で谷崎が祖父から画廊を引き継ぐことになったのか、いつか過去の話も読んでみたいっす。
あと、オジサン顔に力がないのでもっと自信を持って描いて下さい。それと、前編のアタマでかかってきた電話というのは全然関係なかったのねー。
[ 仕事が忙しくなかなか側にいられない恋人・高宮を手伝うことにした深町だが……。 ]
リーマンもので残業ネタ。
初めて肌を触れ合わせようとする二人を雰囲気たっぷりに描くお話。初々しくていいっすねー。ラフな絵柄もいい方向に作用している感じです。そしてパソコンネタでは定番のオチ。データはしっかり確保しましょうねー。万が一に備えてパックアップも忘れずに。
[ 飛島のことを意識し始める真野。そして改めて、飛島が自分を見ていてくれたことに気づくのだが……。 ]
率直なところ、発覚→動揺→和解、Hして終わり、という流れになるかと思っていたのですが、そうそう簡単には終わらない模様。(失礼) 飛島に惹かれる自分を自覚しているものの、単純に恋愛方向に突っ走らない真野に男っぽさを感じたり。この後、どんな展開を見せるのでしょうか。
三田先輩が言ってた目黒の博物館っつーと、寄生虫のヤツしか思いつかないのですが……。行くの?
[ 香月が同僚の熊谷とつきあい始めて一年近くたとうとしていたが、関係を生徒の一人に気づかれて……。 ]
カラー付き。
教師もの。ノンケ×ゲイ。
BE・BOY GOLD掲載『未来の記憶』(2001年6月号、8月号)の続編。
『未来の記憶』は熊谷視点で、今回は香月視点。
前回のラストで二人の仲は思いっ切り熊谷の祖父母にはバレてるので今更取り繕いようもないけど、同性愛に理解のない熊谷家にそうたびたびご招待されても香月はツライだけだよなー。下手に関係を隠し続けて泥沼にハマるのとどっちがマシだろう。そもそも、熊谷はいつまで爺婆と一緒に暮らすつもりなのか。……よもや、香月を加えて一家四人で仲良く生活する予定なんじゃ……。(大いに有り得る)
小さな出来事でも積み重ねてゆけば太い絆になる……というのは大抵はプラスに考えるものなんだろうけど、私は、だからこそ別れるなら早いうちに決断した方が傷も小さくて済む、と前回以上にますます身も蓋もない感想を抱いてしまったのでした。無念。
攻願望のある人は「抱かせろ」と迫る前に、まず自分が受けてみせて、相手に受とはどのようなもんか、実地で観察する機会を与えてみちゃどうだろう。愛があるなら出来るはずだよねー。(愛と欲望の名の元にテメエが相手にソレを要求してるんだから、できねーとは言わせねー。と意味もなく凄んでみたり。)
ぼへーっとHシーンについて考えていたのですが、受の人の脱がされ率に比べて、攻の人って結構きっちり服着てたりしてますよね。一見、攻側に主導権があるかのようですが、しかしそれって見方を変えると、攻は受からソコ(数少ない露出部分)しか求められていないということなのでは。そう思うと頑張って腰を動かしている攻めの人が、急に哀れに見えてきます。